見出し画像

2023佐渡国際トライアスロンその④【バイク編】

バイクスタート

いよいよ国内最長の所以たる佐渡一周190kmのバイクパート。正直珠洲の疲労がどこまで影響するのかわからないが、やるしかない。まずは佐和田〜沢根の海岸線を調子良く飛ばしながら先行する選手をガンガン拾っていく。バイク終了までにどこまで順位を上げられるか。

あわよくば昨年惜しくも逃したアベレージ30km/hを達成できれば、という欲張りな妄想があった。この一年、調子を落としたり戻したり、もがきながらも練習を積んできたつもりだ。ワンチャンどうにかならないかと、この時は思っていた。

ランの折り返し地点になるところを過ぎて左折するとちょっとした丘が連続する区間に入る。ここでJETTのTomoyoさんを見つけた。彼女は昨年年代別表彰されているGouだ。いつもZwiftのJETTライドで熾烈な争いをしているので勝手にライバルと思っている。最近スイムを強化しているのを知ってるのでたぶん前にいるだろうと思っていた。

最初の小刻みな上り区間

「行くよ〜!!」と声をかけて先行する。したのは良いけど、その後「いつ後ろから迫ってくるんじゃないか」とビクビクしながら走り続けることになった。

相川WS(20km地点) スルー。

昼間の最高気温はだいぶ上がる予定だったが、バイク前半はそんなに気温が高いわけでもなく、割と快適だった。その後の大佐渡の区間はしばらく海岸沿いを快調に進んだ。やや向かい風だったが、この頃はまだまだ元気なので気にならず。

夫婦岩をはじめとして海岸沿いの奇岩の風景を楽しめた

アップダウンとともにちょいちょいあるのがトンネル。これがなかなかに照明をケチっているので場所によってはサングラスをかけていることもあってほぼ真っ暗になる。完全に身体が宙に浮いた感覚になって非常に怖い。「地面はある、地面はある」と言い聞かせて真っ直ぐ進むしかない。100均のフロントライトはほとんどなんの役にも立たなかった。

高千エイド(43km) コーラ、水

いつもそうだが、ちょっと疲れてきたころにエイドでもらう冷たいコーラは格別なものがある。身体が求めていた!という感覚だ。少しずつ気温も上がってきたので水も取ってしっかり水分を補給する。他、塩飴とマグオン汁を1時間おきに摂取する。

このあとトンネルが多くなるが、特に長いトンネルだと空気がひんやりとしてかなりリフレッシュできる。これはありがたい。トンネルに入る直前にボトルの水を浴びておけば、効果的に身体を冷やすことができる。

Z坂

佐渡攻略で小木の坂と共に話題にのぼるかの有名なZ坂だ。こんなわかりやすい坂もない。パッと景色が開けた先にくっきりと「Z」が見える。

この先にEpic KOMがありそうな気がしてならない

昨年ここを初めて登ったのだが、たしかにキツいっちゃキツいけど、大山みたいに距離が長いわけでもないし、大谷峠みたいに斜度がすごいわけでもないし、五島みたいに畳みかけるわけでもなく、ピリッとスパイシーで後腐れなし、という印象だった。

ここを過ぎて特徴的だったのが、三箇所ぐらいある岩盤トンネル。ここを風がゴーッと通り抜けていて、すごい空気圧を感じる。このへんで、空がちょっと陰ってパラパラッと雨がふってきた。これは助かる・・・この感じの気候で進んでくれたら・・・と思ったが、もちろんそんな甘い話はなかった。

本当にくりぬいてある・・・

そしてまた雄大な景色の大野亀を通過する。ここは吹きっさらしで日陰がなく、直射日光でジリジリ焼かれるところだ。だが今年はまだこの辺では気温も大したことはなかった。

北海道を思い起こさせる

鷲崎AS (72km)スポドリ、水

味変のため2回に一回はスポドリを取る感じで。このときサドル後ろのボトルの左に水を入れたつもりが右に入れてて、被り水のつもりでスポドリをかぶってしまう。すぐ水で流したのでどうということはなかったが、しばらく甘い香りに包まれることになった😂。

ここからの区間はやや追い風に乗って快調に飛ばしていたと思うが、正直記憶があまり残っていない。

白瀬WS (95km)コーラ、水

よし!半分を過ぎた。あとは日曜Enduranceライドより短い。この辺りで山Mさん繋がりのOTRのM井さん(誰かわかってまうやん)に抜かれる。彼はスイムがク○遅いのに、バイクとランで猛烈に追い上げて総合上位に入るという、私のロールモデルのような人だ(爆)。昨年より早い段階で抜かれたので調子良さそうだ。

両津

当日はもちろん、車はいない

両津の街に到達。久しぶりに沿道からの応援がある。これで大佐渡が終了!あとは小佐渡!!(しかし、まだ小木の坂が・・・ガクブル)まだまだこの辺は元気があった。苦しみながらもなるべくエアロポジをとって踏みまくり、アベレージ30km/h以上をキープしていた。

水津AS (118km)スポドリ、水

時々エイドでしっかり止まって水をもう一本もらってエアロボトルにも給水。ここからいよいよドフラット&追い風のご褒美区間だ。そろそろだいぶ背中がキツくなってエアロポジをキープするのがつらくなってきたが、追い風を良いことに楽な姿勢をとってちょいちょい休憩する。

多田WS (138km)コーラ、水

この辺でとうとうマグオン汁が尽きてきた。やはり150キロ目処で追加のオヤツを持参して正解だったようだ。

赤泊AS (148km)スポドリ、水、バナナ

持参のオヤツはあるけど、念のためバナナをもらって食っておく。脚はまだ大丈夫。周囲の実力拮抗した選手達と抜きつ抜かれつを演じ続けている。

小木AS (161km)コーラ、水、水

ついに小木港までやってきた。ここまで、アベレージ30km/hに数分のマージンを残していた。しかしこの後小木の坂でそれらを全部吐き出してしまうだろうことは見えていた。

小木の坂

このストビューでは伝わらないけど、向こうの方が激坂区間

Z坂は割と後腐れがなかったが、小木の坂は厳しい。序盤の激坂S字上りの区間をヒーヒー行ってクリアしたあと、一旦豪快に下る。そして思いっきり登り返しがあるのだ。これが非常にキツい。そして今年はこの登り返しのところで脚が終わった。

明らかに全身から力が抜けていくような感じ。ジェルとかエネルギーは十分取ってるはずなのに、もう筋肉に回っていかないような、ハンガーノックとは違う感覚だった。「これは、アカン・・・」

みるみるうちに平均Wが落ちていく。150Wはおろか100Wもでない。こんなんでどうすればいいんだ。このあとまだランを残していることを思い出してクラクラしてきた。「T2で、リタイヤか・・・」こんなことをバイクパート終盤に思ったのは今回が初めてだ。

羽茂WS 169km コーラ、水

もうエイドのコーラだけが頼りだ。あっそうだまだモルテンがあった!ここで注入するしかない!・・・「まっずーーーオエエエエ」(ごめんなさい)良薬口に苦し。効いてくれ!

Final Toast

この辺が一番心折れた

昨年もそうだったが、その後海沿いに出てからが地獄だった。強烈な向かい風に加え、完全にヘタれた脚。まったく進まない。あとはガーミンを見ながら1キロ、また1キロと必死でカウントダウンして耐えるのみ。

バイクフィニッシュ

ようやく市街地に戻ってきた。思い出すと頭が痛くなってくるぐらい辛かった。こんな辛いバイクパートはなかった。もういい、もう佐渡はお腹いっぱいです・・・そしてやっと最後の小学校エリアに向けて海岸沿いを曲がった。

最後の直線

長かった・・・本当に長かった・・・

バイクパート:6時間32分45秒(計時的にT1含んでるはず?) 118位/965人

昨年より大幅に成績を落とした。無念!まぁ珠洲レンチャンのせいだということにしとこう・・・

バイクの間、トイレにいかなかったのでT2でトイレに入ったらめちゃくちゃたくさん出た(そりゃそうか)。トイレの位置関係がよくなくてちょっとロスタイム。ランキャップとセンシベルトのボトルをつけてランシューに履き替えてGo!!

時刻は14時すぎ。一応かろうじて目標としていた時間に近いところではあった。しかし、空はドピーカン、ランコースは焼けたフライパンのようになって我々を待っていたのだった・・・

T2:5分36秒(手元計測)

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?