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モルタル造形をデザインする気持ちの話し

モルタル造形にによる石積み壁の演出です。

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どんな時でもDONBOU color works だから出来る、そんな工事を意識していつも施工させていただいてます。

モルタル造形とは、一般の床などに使用するモルタルではなく、厚みをつけて削っていくように出来ている造形用モルタルを塗って施工する材料です。

最近では住宅にも多様性の趣向が入り、今までテーマパークや店舗が主であったのが住まいにも取り入れられる方が多いと感じます、そして施工時に自由度の高さがあるので思い描いた世界観を再現できるのが特徴です。

例えばディズニーランドなんかを想像していただくと分かりやすいですね。

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テーマパーク内かは分かりませんが、恐らくモルタル造形技術で造られたなにか。 夢がありますが、これが街中にあったら大変です。(個人レベルではアメージングで好み)

下地はともかくお化粧として、造形作業やペイントはノウハウさえ分かれば誰でも出来るので、同業様が増えているのが喜ばしい事でもあり、競争社会になりつつあると感じます、技術を高め合う点では嬉しいのですが、価格競争となるのは賛成出来ない事もあり、値段が下がる事自体は、お客様にとってはコストパフォーマンスに優れ自分の思い描いていたオンリーワンの商品が手に入り満足すると良いことばかり、しかしながらやはり一つずつハンドメイドで作成せざるを得ない商品の特性から、手間がかかるのも真実です。←モルタル自体を運ぶだけでも大変!重いのよ!全てパワーワーク!!

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高ければ良いかと言ったらそれも違いますが、一番重要な事はその壁の役割をきちんと理解した中で設計されているか?

役割とは大きく、建物の役割、壁の役割、設計(デザイン)の役割、その箇所の役割、見られ強度の役割、だと思っています。

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住まいなのか店なのか、背景なのか見せる壁なのか、理論的構造的にズレていないか、どのような演出効果を必要としているのか、どれほど目につく場所や位置であるのか、などを総合的に判断し、予算案に組み込む事で、高すぎたり安請けによる総合的な設計ミスを防ぐ事が出来ると信じて、施工させていただいてます。

予算内で仕上げて、感動があるのかが大事。

そんな中で今回はスキー場内の店舗様よりのオーダーを例にして、施工に至るまでの流れを説明すると初めてお付き合いさせていただくにあたり、コンセプトや欲しい雰囲気、どんな商品を扱いどのように作用させたいのか、どの方角からお客様が来たり、どんな数で、年齢層は、など綿密にリサーチさせていただきプランニング。

全体の予算と工期いくら使えて どのくらい時間があるのかの大体を算出する事で下地処理やその後の工程を決めて行きます。

クライアント様の戦略的な部分もあるので詳しくは書けませんが設計の狙いをクライアント様と共同で進めてラフを起こして実際のレイアウトでバランスを見ます。

デザインに至る経緯はリゾートを楽しみにきたリラックス、リフレッシュしに来た人達の気持ちを更に助長したり、また遊びに来たいなーといった気持ちになってもらえるような印象付けに少しでもチカラになれるような設計。

海外や全国からこのスキー場に遊びに来る人達が、電車を降りてホームから屋内に入り最初に見える箇所、そして吹き抜け構造で上部からも店舗が見え、広い屋内でかなり距離の離れた場所からもこちらの店舗が見える事、ショップという目的からダイナミックだが作り込みすぎない壁で、商品を引き立てる設計。

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メインとなるのは「スキー場でもてなす」と言った気持ちの部分で、これは既製品では出来ないであろう手仕事の最大の魅力です。人工物でスタイリッシュよりも、自然なランダム感の中に、当時の石積み職人が積み上げた手作り感、温もりや歴史、ゆっくりと経過した時間などを感じれる石積みになりました。

自分で考えてる訳でなく、提案していただきながらここまでに至ります。

あとはDONBOUで出来るリアル感や積み方の理論を石積み職人さんの気持ちになり施工します。
どこまでリアルに作り上げてもフェイクであるからこそ、石積み職人さんて凄いんだなと思ってもらえるよう、尊敬の念をこめて削りました。

また今回は長岡市の室橋造園様夫妻には石積みについて詳しい話しを聞かせてもらえたり、更に石積みについても学びになった事も嬉しいです。ありがとうございました。

http://murohashizouen.main.jp/

何よりもモルタル造形は、その壁のオーナーさんの壁であります。そのオーナーさんの気持ちをよく理解した中ですすめるべきであり、デザイン性が強いからこそ蛇足にならないように気をつける必要があります。

全体的に空間を演出されているのが一番理想型と考えており、存在感と主張の駆け引きをコントロールするのが面白さで、やり甲斐を感じる部分です。

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そしてもっとスケールの大きい景観まで踏まえて設計出来るのが一流だと思えます。

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この技術が公共で認知され、景観レベルで使用される様になる、又は技術者が認知されるには、その価値を落とす事なく柔軟に設計する事と、用途と意図を真に理解し将来を考えた設計が必要となるでしょう。

ハードル高いね

自分自身一流までの道のりが長いと感じるからこそ、一件一件集中して設計施工までやらせていただいてます。

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モルタル造形に関わらずものづくりをしたい方々、是非一緒に考えながら楽しく作業しましょう!

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