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#悲しくてかっこいい人

『悲しくてかっこいい人』(イ・ラン)読了

本当に個人的な日記を読んでしまったと思った。 しかし、その個人的な日記の中に自分の姿を見つけたとき、彼女にとっての個人的な日記は私にとっての個人的な日記になるのかもしれないと思った。決して彼女の日常を私の日常へとすり替えるわけではなく、自分のごく個人的なことを淡々と記すことは誰かの個人的なところをやさしくノックすることなのかもしれない、と思う。 P68 「もしかしたら、わたしは忘れられないために今も都会に暮らしているのかもしれない。不幸を歌い、その歌をわたしのように不幸な