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中島健人くんの短歌を詠む(1)

「分からない」「理解不能」と言われても伝わるきみを独り占めする

真夜中のコンビニ 甘味欲しくなる あなたの声も売ってください

ゴールドとピンクを混ぜてアマリリス まわせ どこまでも万華鏡

目の淵にたまった嫉妬、自己嫌悪、塗り替えさせてくれるのならば

似合わない口紅 君がつけてたら イタズラしても怒らないでね

つづきある 知るも知らぬも生きていく話 好きなら最後まで聞く

インディゴの分厚い本またぐ星 それぞれ甘く銀光放つ

お隣で花を見ながら淡々と嘘ばっかつくきみが大好き

ずるいわね、きっとまた言うアジュール まだあの香り忘れられない

彼の名を知らないわたし 最高のおとこ またの名ポイズン またね

見えるほし存在するか賭けをした 何億年も先の話で

「こっちみて ドライフラワーであなたのドーナツの穴埋めてみせるよ」

ガーベラを咲かす人にはわかるか 手に握るこれ 枯れてくれない

事件です 胸打つ音が証拠です あなたとわたし生きてるんです

テーブルで突っ伏して寝て頬に跡付いたみたいな気持ちだったよ

魔法(ときめき)に溶ける私も解けさせぬ彼も同罪だよ 許してね

君が水で僕が油だとしても交わる奇跡をまだ夢みて

おれとぼくと僕と俺がひとつの身体に収まり生きていくんだ

表裏で色が違うこのドアから始まり終わるおれの1日

ロマンスの神様いないと知る夜 泣くならあなたの前と決めた

負け犬の遠吠えすらも聞こえない あなたの瞳映る星まで

音の鳴る古びたドアを好んでたきみと新しい扉開ける

マグカップ置いて唇触れる指 口に広がるほのかな苦味

君つなぐこのてのひらは 今ならチョコレートも溶けそうなほど

どうしたらなれるんだろうこの人に 顔にケータイ落として泣ける

夜明けまで愛を話そう 彼はそう言って隣に座ったらしい


夏の夜 香りが高い自由まで絢爛豪華に心溶かして
「な」つのよる 「か」おりがたかい「じ」ゆう「ま」で「けん」らんごうかにこころ「と」かして

※Twitterで投稿したものに少し修正を加えて、読み直してるものが含まれています