アイドル短歌(1)

オムライスつつきながらも考えて ただいまという先にはテレビ

菜の香り、弱酸性のあわあわにずっと取れないタトゥーシール 

いやいやで苦い漢方飲むよりも、再生ボタン押す方が効く

「大好き」と綴られているラブレターたんまりとある芯折れるまで

無添加な泡立ち悪いせっけんが形を変えて赤いクルマに 

深夜2時 赤い車を乗りこなす君にミルクの香りはしない

マッチ棒上手くつかえた それなのに 片手に燃えた星をもつ、今

前髪が目にかかるほど長いきみ 好きだと言ってたあめ舐めてみる

会うんならちゃんとメイクをした日にね、できることなら会いたくないの。

好きなのは整った顔 愛したのはいびつなところに決まってるでしょ

集合にまたあなたの空白が埋めれずしてぽっかり空くの

見上げてはくらげリュック背負ってさ 待ち遠しいの ねむいね ねむい 

キラキラの星、ハート 手のひらからぽろぽろと落ち、溜まりはしない 

外はもうすっかり暗い 抱きしめる買ったことない白のスカート

ワンピースを新調したネイルした 次の約束 あのね、しようよ 

見てたから 頑張ってるの 知ってるよ 手のぬくもりは知らぬままでも

赤心を頂戴するの ぼくたちはこの青春を今だけ売って

街の中で君を感じて振り向きたいから香水の品番探す