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傲慢な私

瑠璃に必要なことは、「謙虚さ」だね。と、夫に言われた。
そう言われて反論できなかった理由は、確かに私は傲慢な女だから。

とびっきり美しいわけでもないのに、もちろん聡明なわけでも、
甘やかされて育った家庭環境とそれなりにうまくいった人生は
私の自己肯定感、というなの傲慢さを育むのに十分すぎる環境だった。

友達は言う。
「でも、たった一人の人生のパートナーくらいは、とびっきり甘やかしてくれてもいいんじゃない?そのわがままも、あなたの言う傲慢さも、可愛いなとそう思ってもらいたいじゃない?」

ウイスキーはとろりと喉を伝う。いつからか最初は生ビール、そこからはロックの強い酒を飲むようになっていた。

グラスの中で氷が解けて、間接照明の下で、それは琥珀色の、はちみつみたいだった。

とびっきり、私に甘い言葉を。
それは愛のささやきなんかじゃなくていい。
とびっきり、私を甘やかす。
赤子にかける言葉のような。
世界でただ一人、何をしても、どんな私であろうとも、
そのままの私を愛してくれる人。

それは、氷にうっすら映る私自身以外で、世界に存在するのだろうか。

甘い液体を飲み込むと、アルコールのせいか、世界が揺れる。

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