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NT料理

今年(2021年)の夏は、人生ではじめて冷房なしで過ごした

買い物に行ったスーパーやコンビニで冷房が効いてたりはしましたがね

バブルの遺産とおぼしき「元」高級別荘地の、大企業が建てた「元」保養所をリノベーションした物件での長期滞在

高原の気持ちの良い空気に包まれた 豪奢なテラスにて、瞑想がてらに丁寧に淹れたコーヒーをいただく

ここ数年、世界一うまい牡蠣をつくろう!などと標榜したがゆえに「美味とはなんぞや?」と求め続ける日々を送っておりました

今日は その果てに得た気づきと知見のお話

「美味とはなにか」
言ってしまえば、すべてが「脳の反応」である

そして、そもそも「味覚」とはなんのためにあるのか?

起源を辿れば、要するに「毒見」

ヒトは食べないと生きていけない
かといって、口にするものがカラダにとって良いものなのか悪いものなのか「毒か否か」を判別しないことには、これまた生死に関わることとなる

そのための仕組み

脳はあらゆる情報をシナプスという特殊な細胞組織を繋いで、電気信号で伝達する

ネズミなどの小動物は人間よりも脳が小さい

脳の情報のインプット(入り口)とアウトプット(出口)が近い

「食べ物」を見つけると「食べる」という行動に直接繋がりやすい、直結する

ところが人間の脳は、デカい

「食べ物」という情報がインプットされてから「食べる」という行為に至るまでの情報伝達の「道のりが長い」

そこで、記憶、知識や経験、そのときの体調や感情など、脳内に渦巻くデータが、その長い道のりで足されていく

10人いれば10人違う情報が足されていく

「思い出の料理」だとか「ソウルフード」などはまさにそれ

脳はそもそも「サバイバル」するためのオートメーションシステム

無意識に呼吸もするし、心臓も勝手に動く

もし空腹であれば、それは「生命の危機的状態」として認識され、食べ物というインプットから「食べる」というアウトプットまではよりスムーズに繋がる、直結される

もはや雑念が入る余地がないからである

ところが現代の日本在住者は 多くの人々が 食べ物に満たされている

美食=グルメは多様性の境地

「美味」は、それぞれの思考が入り、志向が異なり、嗜好は多様になる

多様性は「余裕」から生まれる、少なくとも命の危険はなく、食べ物にも恵まれているからこその、複雑化であり多様性

「ナラティブ」という言葉がある

ナレーターやナレーションの語源でもある

「個々の物語」という意味合いの言葉なのだが「ストーリー」との大きな違いは、より「パーソナルな物語」だという点にある

仮に「食べ物」から「食べる」までの間に様々な 個々の価値観や思い出など、多彩な個性情報が加味されるのであれば、本当の「美味」はその「ナラティブ」にあるということになる

「ナラティブフード(ナラティブ料理)」

パーソナルな物語から生まれる料理

まずは思い出や価値観を聞くインタビューから入ることになる

そこにその日そのときの 空腹度合いや、体調などを加味してメニューを構成していく

「ガンダムNT」というシリーズがある

ガンダムにおいて「ニュータイプ」という言葉は欠かせない

「宇宙で生まれ育った特殊な能力を持つ新人類」という意味

ガンダムNTの「NT」は「ガンダムナラティブ」と読む

ニュータイプと「ナラティブ」を掛けてつけられたとか

AmazonPrimeのメンバーの方は無料で視れる…いい時代だわ…☟

SNSの浸透で「パーソナルな情報」が筒抜けな現代…おっと、そんなプロバガンダムな皮肉はさておき、多くの人がスマホを持ち、インターネットに繋がり、SNSで個人情報を発信しているのは事実

事前に「ナラティブ料理」に必要な情報をSNSを見たり「アンケート」を行うなどでカキ集めることは容易におもう

一日2組限定ひとり5~10万円の宿が流行っている

宿泊プランの内容を聞くとまさに「ナラティブホテル」「ナラティブ旅館」と言える「パーソナルな物語を加味した宿」でした

本当に食べたいもの

たまに「果実(野菜)ジュースだけで生活」するチャレンジを行う

最低三日以上、叶うなら週単位、月単位で

カラダは「食べたいもの」がすべてだということを実感できるし、カラダがどんな食べ物でどういった反応を示すのかもわかる

そしてなにより、自分が本当に食べたいものが視得てくる

バブルの遺産とナラティブの融合

高度経済成長…不動産…IT…様々なバブルを経たニッポン

高級別荘地も、豪華な保養所も、すべて「元」がつく、そんな「遺産」がゴロゴロしている

今年の夏は、大企業が放免せざるを得なくなった、バブルの頃は華やかであったろう別荘地に建つ、やたらと商社…もとい瀟酒で立派な保養所を、ほぼひとりで占拠させてもらっていた

テニスコートにプールに音楽スタジオにサッカー場まである…卓球台もあったが、ひとりではできない

空き家や廃墟を活かしたい、とリサーチの旅を続けているからこそわかったこと、味わえる貴重な体験…

「NT料理」いまの日本だからこそ創れる、味わえる

NT料理…それがパーソナルであればパーソナルであるほどに、とんでもないコストがかかることが予想される、要するにめっちゃ金かかるんちゃう?と

が、現在の日本には、そんな素晴らしい空き家や、恵まれた食環境がある

アナタだけのNT料理を「その日・その時・その場所」でしか味わえない「自分のためだけのナラティブ料理」を体験を、

自分で創って味わえるチャンス

ヒトの欲望の果てである数々の遺産も、活かせないままにどんどん風化しているのが現状

アナタだけの、キミだけの「たのしい・おいしい」

そんな「NT料理」の提供…誰かから提供してもらうのではなく、それを創る方法を、NT環境をデザインする方法を提供できたらとおもっております

そういえば…今日のテーマは「美味の起源」でしたね…

どうやら僕の脳🧠のインプットからアウトプットまでは…だいぶ遠いようで…

本日もご精読感謝

NT料理も「食材」があってこそ成り立つ。そんな食材を食財にする環境デザインを応援いただけたらうれしいです。方法は「絵本を読むだけ」?!☟


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