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定年就農爺の楽々コメ作りは可能か?

前の記事 

https://note.com/donkano/n/n048b6c576d99

を書いてから、中山間地、コメでググると

https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0506re2.pdf

という記事が見つかりました。この記事はJAバンクの司令塔である農林中央金庫のシンクタンクの雑誌に掲載されたものです。この記事でも定年就農爺が金の卵のように期待されていました。世界的な投資を行っている農林中金のシンクタンクのエリート研究員と私のような農業ど素人のボケ老人が同じことを考えていたことは驚きですが、まあ人間誰でも考えることは同じっていうことがあるってことなんでしょうかね。

しかしながら前の記事で私は現状では中山間地の耕作放棄地を復活してくれるスーパー爺さんなんてほとんど現れないと言う結論に至っています。就農希望者の爺さんでも、やはり辛い農作業は嫌いでしょう。大好きなのは自然の豊かさに触れながら、子供たちやその家族に安心できるコメ、野菜、果物を届けてやることです。辛い農作業を通して哲学や思想を深めようという修行僧のような奇特な方なんてほとんどいないと思います。会社勤めを通してコスト意識を持たれておられるでしょうから、零細規模で高価な農業機械の新規導入なんて考えもしないでしょう。しかしそうかと言ってショベル、鋤、鍬だけでなんとかなるとも思わないでしょう。定年就農爺は年金があり、子育ても住宅ローンの支払いもしなくていいので、あまり稼げないけど来てくれるのではないかという考えは甘いと思います。

実は私が思い描いているのは日本版のダーチャです。ダーチャというのはロシアの畑付きの別荘のことです。街に働く労働者でも、夏になると家族と共にダーチャで暮らし、自給用の食糧を生産するそうです。今から30年前、ロシアのスーパーでは商品がありませんでした。しかしロシアのおばちゃんたちは娘時代の体型には戻りませんでした。これはダーチャが普及していたおかげだと言われています。勿論、日本の働き世代にそんなことをする余裕なんてありません。でもね、定年爺さんならまだ可能性はあります。しかしそれには小規模田圃の超効率的楽ちん農法が必要ってことを言いたいのです。これまでの稲作の省力化は大規模を前提としてしか検討されてこなかったのではないかと思いますが、小規模の場合の省力化も我国の農業の最重要な課題の一つになるって思ってるんです。

自給のための定年就農爺さんによる楽チン稲作のヒントは転がっています。例えば自然農法的なものとして、冬季湛水、直播、カルガモなどが挙げられるでしょう。棚田のオーナー制でやってるところは収益優先でないので、色々遊べるはずだと思います。オーナー不在の間の管理が面倒なら農薬使っちゃうのも仕方がないかも知れませんが、、、。農機具メーカーさんもレクサスよりも高級な田植え機を開発する暇があったら、手押し稲作直播権平や、楽々水中草刈機、マメトラ畦塗り、家庭用籾摺り機などの安価な農機具の開発に力を注いで欲しいですね。農研さんも大きい所だけでなく、小規模ならど素人でも楽チンにできる方法を提案して欲しいです。

自給率の向上は国の最重要課題ですが、生産性の向上だけが解決策ではありません。自給できる家庭を増やすことも大切です。食糧危機ならコオロギって言うのは愚か者のセリフでしょう。食糧危機に備えて爺に農作業させろです。