33歳人妻が16歳の少年に恋した話 74 フォロワーの後押し

2023年、2月上旬。

相変わらず忙しくて余裕のない毎日だったが、結局少しでも時間ができると彼のことばかり考えてしまっていた。

彼からは依然として連絡はなかった。

1ヶ月前は彼のことを考えると幸せで満ち足りた気持ちになって頑張ろうと思えていたはずなのに。
今は彼のことを考えると不安しかなかった。
たった1ヶ月でこんなに状況が変わってしまうなんて。

相変わらずフォロワーたちとは毎日連絡を取り合っており、彼から連絡が来なくなった件についても話した。
フォロワーたちはその件をずっと気にかけてくれた。

今回彼と連絡が取れなくなったことに対するフォロワーたちの見解は、

「一時的に怒っているだけ。会えばどうせまたあのこちゃんにデレデレになって連絡よこしてくるよ」

とのことだった。

ほぼ自信を喪失していたので、そんなはずないのでは…と思いつつも、フォロワーたちがそう言ってくれることで、まだ彼との関係は終わったわけではないように思えて救われるような気持ちだった。

既婚女性②が

「そうだ!あのこちゃん、今度の開幕戦でバレンタインあげたら?」

と提案してきた。

2月中旬、応援しているチームの開幕戦があるのだ。
開幕戦はバレンタインの少し後。
たしかにタイミングはいいかもしれない。

でもあんな最悪の状態で終わってるのに突然再会してバレンタインのプレゼントを渡すなんて。
あまりにもハードルが高すぎると思った。

既婚女性①「いいじゃん!これチャンスだよ!」

独身男性「久しぶりに大好きなあのこちゃんに会ってまた燃え上がるに違いない。フラッグはそういう奴だ」

既婚女性①「私もそう思いまーす」

私「そうかなあ。いまいち自信ないけど。何あげればいいかわかんないし」

既婚女性②「そりゃあ、ステラおばさんのクッキーでしょ!節目節目であげてるんだから、あの頃のこと思い出して喜んでくれるよ」

独身男性「ステラおばさんのクッキー見て初めて会った日のこと思い出してときめいてハグしてきたりして」

既婚女性①「きゃーーーーーーー」

私「連絡するの怖いです。どうしよう」

既婚女性①「大丈夫だよ、まだ音信不通から1ヶ月も経ってないんだし」

独身男性「普通に久しぶりー開幕戦の日ちょっと会おう、でいいじゃん」

既婚女性②「そうだよー!年明けには結婚したいって言われたんでしょ、大丈夫だよ、そんな簡単にあのこちゃんのこと嫌いになったりするはずないよ」

既婚女性①「そうそう、軽い気持ちでいきなよ」

こうしてフォロワーたちの後押しで、久しぶりに彼に連絡することにした。

「久しぶりー!元気?開幕戦の日会おー」
「開幕戦の日会える時間ある?」
「渡したいものあるから開幕戦の日会えない?」

などなど、無難な文章を考え、打っては消してを繰り返していた。
前だったら、こんなの全く気を遣わないで送れたのにな。
そう思って今との落差に悲しくなった。

結局、

「久しぶり!開幕戦の日ちょっとでもいいから会える?」

とだけ連絡した。

断られたらどうしよう。
そもそも返信が来なかったらどうしよう。
もっとそもそも(?)ブロックされていてLINEすら読んでもらえなかったりして。

不安と恐怖で心臓がバクバクした。

すると、すぐに既読がついた。

ほんの少しだけ安心した。

続く

関係ないけどスタバで今出てるスイーツ、全部めっちゃ美味しくてびっくりした。抹茶のチーズケーキが特におすすめ。皆様もぜひ。

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