障害のこと、どこまで訊いていいですか?

 こんにちは。東京藝術大学 Diversity on the Arts Project(通称:DOOR)受講生の細尾です。他の受講生有志(後ほど紹介します)と、トリーチャー・コリンズ症候群の当事者である石田祐貴さんと実習を進めています。

 ここで、石田さんと実習を行っているDOOR受講生を紹介します。福祉・医療関係者もいれば、福祉に縁のない会社員もいるチームです。

● 工藤さん:療育施設で子供と歌って踊る元音大生。
● 小出さん:元は医療ソーシャルワーカー、今は障害者B型支援施設理事。
● 藤田さん:福祉に関わりがないままDOORを受講した会社員。
● 細尾:中華料理が好きな医者兼ライター(この記事の筆者)。

 10月頭のミーティングでは「障害を伝える」というテーマ自体を再考することになりました。障害一般に焦点を当てるのか、石田さんの障害に焦点を当てるのか。note、ポスター、講演会、媒体毎にテーマを少し変えるのか。

 ミーティングの中で、藤田さんから興味深い質問が出ました。

「石田さん。障害のこと、どこまで訊いていいですか?」

 福祉に関わりのないままDOORを受講した藤田さん。これまでに障害の当事者と話す機会がなく、実際に石田さんと話すにあたり、どういう内容なら尋ねて良いのか、どういう点に気をつければ失礼がないのか知りたかったそうです。

石田さん「うーん、人によるとしか……。僕は訊いてくれて構わないけれど、当事者の中には触れてほしくない人もいると思います。」

藤田さん「例えば、石田さんはものを食べられるの? とか、そういうところからわからないんです。」

石田さん「食べられますよ。僕、目が垂れているせいか、見えてますか? とかよく訊かれます。」

 障害の当事者にその障害のことについて尋ねて良いかどうかは、その方の考え方や、その方との関係性によるので一概には言えません。ただ、その方との関係性を築いていく上で、障害について正確に知ることはその助けになるのではないでしょうか。藤田さんと石田さんのやり取りを通して、私達は「障害について正確に知る」ための援助が必要だと感じました。

 ここで冒頭の議論に戻ります。「障害を伝える」というテーマですが、今回は石田さんのケースに絞って、「石田さんの障害を伝える」ことにしようと決めました。石田さんのケースをモデルにして、石田さんとDOOR受講生4人で、様々な側面から石田さんの障害を伝えてみようと思います。

 当初、講演会の案が出ていましたが、参加者の方と石田さんの距離をより縮めるために、小さなワークショップを考えています。講演会はYoutubeに場を写して、5分程度の講演動画をいくつか配信します。ポスターについては、今回のミーティングでは時間切れで話し合えませんでしたが、次回以降検討していきます。noteではミーティングの途中経過を記録し、この実習のメイキングとして残します。

 ミーティングの最後に、「石田さんと出かけよう」という案が出ました。石田さんが通っている大学院を見学したり、メンバーの勤務先の社食に行ってみるつもりです。それもまた、noteの記事にしていきますね。

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