SKハイニックスがキーファウンドリーを買収

🟩SKハイニックス「キーファウンドリー」買収

世界2位のメモリー半導体企業の韓国SKハイニックスは、半導体受託生産会社のキーファウンドリーを買収すると発表しました。5758億ウォン（約560億円）で、株式をすべて買い取りキーファウンドリを完全子会社としました。

ファンドリー事業の強化

SKハイニクスの収益の96%以上を占めるメモリー事業は、設計から製造まで自社で行うIDM(垂直統合)です。その一方で外部の半導体メーカーから生産を請け負う事業を子会社「SKハイニックスシステムIC」で手掛けてきました。SKはファウンドリーの生産能力を2倍に拡大する目標を掲げています。

キーファンドリーとは

キーファンドリーは韓国 清州市に本社を置き、ファブレス・メーカ向けに特化したファンドリサービスを展開しています。8インチ(200mm)ウェーハのラインを保有し、月産9万枚の生産能力があります。キーファンドリーは、2020年にマグナチップのファウンドリー事業のスピンアウトによりできた企業です。さらにそのマグナチップは旧ハイニックス半導体の非メモリ事業がスピンアウトしたことに設立されました

※Hynix ↴ 非メモリ部門
　※MagnaChip↴ ファンドリー部門
　　※Key Foundry ↗ SkHynixが買収

SKハイニックス前身のハイニックスから分離した事業を再び買い戻すことになります。その理由は何でしょうか。

🟩キーファウンドリの企業価値

キーファウンドリーは2020年にマグナチップから投資ファンドに、5100億ウォンで売却されました。今回の買収は5758億ウォンなので、1年で675億ウオン(約65億円)売却額がが向上しました。年率にすると約13%、キーファウンドリー企業価値が上がったことになります。

キーファウンドリーの企業価値 
　5100億 → 5758億ウォン

レガシープロセスノードを活用

キーファウンドリーの半導体生産能力はw00mmのウエハー換算で月産８万枚規模です。130nmプロセスまでのレガシープロセスノードを用いて、ディスプレードライバIC、電源管理用ICなどアナログとデジタルの混載ICを中心に製造しています。レガシーノードの旧型装置は、多品種少量生産に適し、既に減価償却が終わっているためコスト競争力に優れています。

🟩まとめ

SKハイニックスが、レガシープロセスノードを活用して利益が出やすい、キーファウンドリを買収

SKハイニックスの韓国内ファウンドリーへの投資は、韓国政府の半導体輸出を倍増させる「K-半導体戦略」に従ったものです。日本政府も先端プロセスノードを海外から呼び込むだけではなく、既存設備の有効活用する戦略も期待したい。