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ファイブフィンガーで測るチームの健康

はじめに

スクラム開発のデイリースクラムなどで活用される「ファイブフィンガー」。名著「カイゼンジャーニー」でも紹介されていたため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そのファイブフィンガーのやり方や効能、気をつけるポイントなどを簡単にまとめています。
なお、こちらの記事が大変参考になります。

ファイブフィンガーの実施方法

これは至ってシンプル。指の本数で、その日の状態を表すだけのお手軽プラクティスです。
5 最高に良い調子!!
4 まあ良い調子
3 普通かな
2 まずいかも…
1 全然ダメ

なぜファイブフィンガー?

朝会で「本当は上手く行っていないことがあるんだけど、いいにくい…」
そのような経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
ファイブフィンガーだと、指で示すだけなのでカジュアルにピンチを伝えることができます。

ファイブフィンガーだろうと、弱音は吐きづらいのでは

これはごもっともなご意見。
実際、ファイブフィンガーを始めたばかりのチームではなかなか3本以下があがらなかったりします。
これは、
・上手くいってないとおもわれたくない
・弱音を吐いてもいいことはない
という意識があるからで、非難文化のチームで働いていた方などはなかなか「上手くいってない」といいだす勇気が指だとしてももてません。

苦境を知らせると助けてくれる、という体験をつくる

チームの中で勇気を出して3本指を出したメンバーがいたら、徹底的に助けます。
・タスクの分割
・モブでのナレッジ共有
やれることはなんでも。
その繰り返しで「このチームは弱音を吐いてもいいし、助けてくれる」=「弱音を吐くと得だ」という意識を醸成します。

実は上手くいっていないケースを見分けるには

とはいっても申告できない人もいます。
しかし、
・カンバンが予定通りに更新されていない
・表情が暗い
・報告があいまい
など、何かしらサインがあるので周囲はそれをキャッチし、助けてあげましょう。

基準値はチームにあわせて

私のチームは慎重な性格のメンバーが多く、「絶好調!!」と自分から言うことに躊躇いをもつ人が殆どでした。
そのためファイブフィンガー開始当初はみんな2-3本。
これでは問題が可視化され辛いため
「5本ー特に問題なし」と基準値を下げました。それからは1-5本の振れ幅で可視化されるようになりました。

応用編:バイオリズムの計測

私のチームではスプリント中のファイブフィンガー推移を毎日記録しています。(通称:指ボード)
これを行うと特定の個人が上手くいっていないのか、チーム全体として下降傾向なのかが可視化され対策をうつことが可能です。

応用:指の貸し借り

指が5本の人が主体的に指4本以下の人をサポートすると、チームとしてのベロシティが保たれます。
この状態にもっていくためのチームビルディングについては、本記事では割愛します。

まとめ

・ファイブフィンガーは軽量にチームの状態を知ることができる聴診器
・ファイブフィンガーによる成功体験を積み重ねることで、チーム内で助け合う風土が生まれる
・チーム特性に合わせたカスタマイズを行うと、より効果的
実施は簡単なので、ぜひみなさんも試してみてください。

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