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ふりかえり迷子にならないために

はじめに

この記事はふりかえり Advent Calendar 2019 7日目の記事だ。

もし12/7より前にこの記事を見た人は、そっと閉じてほしい。そして12/7に再訪してほしい。もちろん、ふりかえり Advent Calendar 2019は12/1からチェックしてほしい。

どれくらいふりかえりをやっているか

ふりかえりについて語る前に、私のバックグラウンドをおつたえしたい。
自分個人としてのふりかえり歴は8年ほど、
今のチームで実施するようになってからは1年ほどだ。(私がジョインしたのが1年ほど前だ)
最初の5年ほどはひたすらKPTに取り組んでいて、ここ3年くらいはYWTやタイムライン、学習マトリクスにFun/Done/Learnなど取り組んでいる。リーンコーヒーをふりかえりに転用することもある。

ふりかえりは迷子になりやすい

長年ふりかえりを実施し、その重要性は日々感じている。そして、同時にうまくふりかえりをすることの難しさも感じている。

マンネリ化、形ばかりの施策、本質的ではない改善…様々な難しさがあるが、今回は「迷子になりやすい」点について論じたい。

ふりかえりには様々なフェーズがある。
ふりかえり対象の期間がどうだったか情報を集めるフェーズ。
情報をもとに、良かった点や改善したい点、なぜそうなったかなどを議論するフェーズ。
そこから、ふりかえり以降どのように行動を変えるかアイデアを出していく。このフェーズでは発散と収束が発生するだろう。
最終的に次のアクションをいつまでに誰がどう決め、互いに感謝を述べてふりかえりは終わる。

そう、何も問題なければ。

しかしどうだろう、上記を見るとわかるように、「ふりかえり」とひとくちに言ってもそこにはいくつかのステップがある。情報集めで集まった情報が豊富過ぎて後の話題が散逸したり、アイデアフェーズに問題提起フェーズへもどったり。

「あれ、いまなんの話だったっけ」

ふりかえり経験が豊富であると自負しつつ、恥ずかしながらいまだにこういう場面に出くわすのだ。

2019年のふりかえりをふりかえって

さて、少し話題を変えて、今年のふりかえりをふりかえってみたい。
昨年の秋口からふりかえりを定着させ、今年に入ってからはメンバーもふりかえりに慣れてきた様子があった。
タイムラインと学習マトリクスを基本形としながら、ときおりリーンコーヒーで軸を絞って振り返る。
そんなことを繰り返している中で素敵な出会いがあった。

そう、Fun/Done/Learnである。

この手法は試すことがとても簡単で、かつ長考せずコメントが出てくる。なにより、前向きだ。チームに明るさ、「Fun」が足りなかった時期を脱することができたのはこの手法に依るところが大きいと感じている。

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チームは練度を増していった。
会社の研修に参加した若手から「自身のふりかえりをやったんですけど、いつもやってるからすごく取り組みやすかったです」というコメントが出るほどふりかえりはチームメンバーに定着していた。

それでも、迷子になることはあった。
そこで試してみたのが、ふりかえりカンバンだ。

ふりかえりの現在地を知る

ふりかえりカンバンとは何か。
名前のとおり、ふりかえりを行うためのカンバンだ。
ふりかえりのテーマを書き、
左端は情報収集、
真ん中に議論の進捗カンバンをおき
右端にカイゼンアイデアを集める。

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なぜこのようなカンバンを作ったのか?迷子にならないためだ。
それぞれの頭の中にあるふりかえりのフェーズを揃えることがこのカンバンの役割だ。

で、このカンバンを導入してうまくいったのか?

結論からいうと「うまくいきかけた」という感じだ。若干歯切れが悪く申し訳ない。

フェーズを可視化できた点は間違いなくよかった。
情報収集、議論、アイデアを明確に分けたことで今何を話しているのかも明確になった。
ではなぜ「うまくいった」ではなく「うまくいきかけた」なのか?
それは、「時間内に最終結論までたどり着けなかった」からである。
しかし、これはカンバンの弱点ではない。
これまでは時間内に収めてアウトプットまでつなげていたが、各フェーズで必要な議論をつくすと今のタイムボックスでは足りないことを示唆しているのだ。
2回目にやったときも同様の事象が起こったため、次は時間を延ばすか議論をさらに絞るかが必要だと考えている。

あらためて、2019年のふりかえり

まだ2019年を1ヶ月ほど残した状態での総括となるが、今年はふりかえりの主体を自分からチームに渡せた気がした1年だ。
Fun/Done/Learnは自分たちで動きやすい仕組みだったし、
ふりかえりカンバンがあるとメンバーたちで議論しながらも迷子にならずに済む。
前述のように完勝、という感じではないが手応えは感じている。
(スプリントの途中にリファインメント挟もう、とかペアやモブやろう、とか今も続く施策が出た点もよかった)

そして、(世の中を探せばすでにありそうな気もするが)ふりかえりカンバンという自分なりのふりかえりスタイルに辿りつけた点も個人的にはよかった。ここからブラッシュアップして、いろんな現場で使えるものにしたいという気持ちもある。

ふりかえりは2020年になっても続く。生きている限り続く。また来年、その1年をふりかえるときに「今年もよきふりかえりができました」と胸を張れるようなふりかえりライフを送りたい。

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