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#89 Tさんのタイピングとワンモアレップ

中性脂肪の数値がかなり悪い。この間、共済組合から体組成に関する資料が届いたのだが、百位中九十九位という有様。おそらく、血管の中はドロドロ。ライトに死の危険性を感じ、運動をしようと思ったのだが、まん延防止でジムは閉鎖。運動の方向性を思案している最中、何の因果か、息子が「リングフィットアドベンチャー」なるゲームを購入した。これをやってみたのだが、すこぶるいい。


ジョイコンを太ももにセットし、リングを持って、ゲーム開始。ボスを倒すべく物語が進んでいく途中、要所要所で筋トレミッションが発動する。これが結構辛いのだ。スクワット、腹筋、ヨガなどが組み合わさる中、悲鳴をあげる体、出る唸り声。多分明日は、激烈な筋肉痛に襲われるのだろうなあと思いながら、ゲーム中にふと気づいた事がある。それはワンモアレップ(もう一回)の重要性だ。


部屋には、筋トレ用のベンチ、腹筋ローラー、ダンベルが揃えており、筋トレは以前から行っていた。しかしワンモアレップができないのだ。それは私の大甘な性格に由来する。妥協の繰り返しで、効果がほとんどでず、家族からの中傷を浴びる毎日。しかしである。今日のトレーニングは、ゲームキャラの声がけに後押しされ、ワンモアレップができた。そしてTさんのことを思い出した。


Tさんは三年生。配備されたタブレットに興味をもち、特にタイピング練習にのめり込んだ。来る日も来る日もタイピングに明け暮れ、当然のごとく、学級の中で一番になった。「先生、見てください!千点超えましたよ!すごくないですか?(ドヤ顏)」「やるねえ!すごい成長速度だ。しかし、私は五千点を超える。君ならそのレベルを超えられるはず(根拠なし)。そこを超えてから、もう一回ドヤりに来て。」いい感じにアジテートされたTさんは、そこから強度を上げた練習を繰り返した。ホームポジションとブラインドタッチをマスター(私はどちらも出来ない)し、ついに一万点を超え、遥か彼方まで飛び去って行った。


もしかしたら、私は気がつかないうちに、彼にワンモアレップの声がけを行っていたのかもしれない。それが彼をネクストレベルまで引っ張るきっかけになったのであれば、こんなに嬉しいことはない。適切な「もう一回!あと一回!」と言うワンモアレップの声がけは、児童の成長に繋がるのだろう。


さあ、新学期が始まる。ワンモアレップ精神で、自分にも児童にも健全に負荷をかけ、新しい精神と体づくりを行おう。まずは中性脂肪の数値をどうにかしないと、このコラムが終筆になってしまう・・・(猛爆)

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