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今期ドラマが想像以上におもれーぞ②anknown これは吸血鬼の話じゃない、多様性の話だ。

anknownは吸血鬼の話なんだけど、結構面白い。
友人におすすめのドラマを聞かれて答えたら、『それって前に石原さとみがやってた実は人魚だったみたいな話とかぶるな』(恋はdeepに)って指摘をもらいました。

うーん、、それとは違うんだよな、と思いつつ何が違うのかを考えてみると、人魚姫の方はいきなりお魚たちとふんわり喋り出しちゃう違和感しかない、どう考えても企画倒れな内容で、見てる人全員置き去りになっておりました。あくまで個人の感想。

自分の周りにも実はたくさんいるけれど、表にはその存在は見えず(見せられず)苦労してるマイノリティの存在を吸血鬼で描くユーモア

今回、主人公のこころとその一家は吸血鬼として普通の人間のように暮らしてます。世の中には吸血鬼への間違った偏見や思い込みが蔓延っていて、吸血鬼があたかも襲ったような殺し方をされた殺人が相次ぎ、田中圭演じる警察官兼婚約者の虎は、まさか吸血鬼が!と一瞬こころを疑います。
しかし、こころは『お肉食べたいからって生きてる牛にかぶりつく??そんなことしないのと一緒、わたしたちだってちゃんと加工された血を飲むよ、国産もえらびたいし』と反論。

吸血鬼たちは、生まれながらに血を摂取しないと生きられない体質なんです。本人の希望は関係なく、そうであるとしか言えない。
これはまさに性的マイノリティにつながる話、というかそれのメタファーとして吸血鬼が使われている。

おっさんずらぶとanknownにおけるマイノリティの描き方の違い

今回のドラマは、過去田中圭の出世作になったおっさんずらぶのスタッフが制作している。同じくマイノリティを扱う作品でありながら、マイノリティの描き方が違います。
おっさんず、はゲイや同性愛というワードを直接的にださず、男が愛する対象が男か女はそんな関係ないよね、というスタンスのドラマ。同性愛であることそのものの苦難や偏見みたいなことには触れず、あたかも『もし世の中でもし同性愛が普通に受け入れられていたら』という前提であえてえがかれている。だから、男同士であるが、見てる視聴者は恋愛ドラマとして見ている、不思議。

anknown は思いっきりマイノリティの生きづらさにフォーカスしてる


なんですが、そのメタファーとして吸血鬼が出現するのですが一見すると、いや、三話くらいみて、吸血鬼と殺人犯の息子の話か、と離脱してしまった人もいるのかも。
しかし、しかしですよ!
これは見続ける価値があると思います。

世の中の偏見に傷つき、ありのままの自分を隠して、パートナーにも本当の事を言えず、日陰で生きていかなければいけない。(吸血鬼は日光が苦手)
これは全マイノリティの苦しみではないでしょうか。
それをゲイやレズビアンの話で、その苦悩にフォーカスすることは、いまさらやることはちょっと憚られるでしょう。しかし、吸血鬼っていう、すごい変化球のおかげでわかりやすく、いやみなく作られてるので、ブラボーやなーと思いました。

来週最終回だってよ。


前回第8話で明らかになった、よよさん、まつりちゃん&ダイゴローまでが吸血鬼だった。そして、犯人も明らかに?!吸血鬼は人間からすれば害虫だ、人間は害虫は殺すでしょ?それと同じ。と言い放ったあいつでした。
いやー、途中からそーかなと思ってたけど、なかなかいい展開でしたね。
最後まで楽しませてほしいです!





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