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FUJI Transonic1.1(2018)フレームインプレッション

FUJIのTransonic1.1(2018)を組んで乗り始めてはや1年半ほど。少々古いフレームにはなりましたが、自分には合っているようで気に入って乗っています。かつてはチーム右京でも採用していたフレームで、プロユースに耐える設計ですが、フレームの販売価格が24万円と破格に安かったことでもちょっと話題になったようです。

今回はこのフレームの印象と、いいところを中心に書いてみようと思います。

到着直後のフレーム。いかにもエアロフレーム

まず基本的なスペックです。メーカーウェブサイトによると、フレームを構成するカーボンは「C10 ultra high-modulus carbon」で、フォークは「FC-330 carbon monocoque w/ tapered carbon」、フレーム、フォーク、シートポストの重量は1,720gです。僕はジオメトリーによるフレーム設計の特徴とかそういうところは不勉強ですが、前傾姿勢の取りやすい設計であると思います。約2,000km乗った上で感じたことを。

乗り始めた時も、今も感じますが、このフレームは剛性が高く、硬い感じがします。振動吸収性はあるので乗り心地が極端に悪いわけではありませんが、大出力を受け止めてそれを推進力に変える、速度を出すことが求められるエアロフレームなので、BB周りはかなり剛性があります。踏んだ感じ「ガツン!」と来るフレームです。だからと言って無闇に体力を削られるということもないので、硬い割には乗っていて楽な不思議なフレームです。おそらく適度にしなりがあるんでしょうね。100〜150km走れてしまいます。

BB周りのボリューム

加速性能と速度維持については、それがこのフレームの本分なので申し分ありません。僕は瞬間最大出力700wぐらい、瞬間最高速度は時速50kmぐらいのホビーライダーですが、グッと踏み込んでパワーをかけたら、少しためがあって一気に加速するので、毎回その加速に驚きます。いったんスピードに乗ってしまえば速度維持もかなり楽です。速度を維持している間に少し休んで再度加速することすらできてしまいます。多分これがエアロ効果なんでしょうね。普段速くても時速30km前後で巡航していればいいところなので、エアロ効果の恩恵をどれぐらい受けているのかは微妙ですが。

翼断面を多用したフレーム。風洞実験で得られたデータを活用して設計されています。ダウンチューブかなり太いです。

直進安定性については全く不安がありません。ピタッと路面に吸い付いて、速度を上げた際バイクがふらついたり、暴れたりすることがないので、思ったラインを安心して走ることができます。

コーナリング性能については、ホイールやタイヤにも左右されるとは思いますが、安定感もある非常にスムーズな曲がり方をします。バイクを倒し込むと思ったラインですっと曲がる感じです。外に膨らむということがありません。

ブレーキは前後ともにダイレクトマウントを採用しています。前後ともにフロント用を使うというところが少し珍しいです。剛性も高くしっかりと効きます。

フロント
リア

ハンドル、ステムは専用設計ではなく、汎用品が使用できます。僕はPrimeのエアロカーボンハンドルに3Tのステムを使っています。容易に交換部品が入手できる安心感があります。

重量は現在の構成でペダル、パワーメーター、ボトルケージ込みで7.7キロ。そこそこ軽量です。

エアロフレームなので、平坦での巡航性能、加速性能が高いのはもちろんですが、思いの外乗り心地が良く、ある程度登りもこなせる万能バイクと感じています。クセもあまりなく乗りやすいフレームです。汎用品で組めるのでカスタムの自由度が高く、自分で組んだりカスタムしたい方も楽しめます。ハンドルやホイールも含めトータルで設計されている最新のエアロロードには及ばないかもしれませんが、自分好みの自転車に仕上げることができる魅力はたまりません。

FUJIのレースバイクのラインナップはこのところ少し寂しいですが、これからも大切に乗って、FUJIの自転車の良さを広めていきたいなぁ。

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