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記事一覧

「躁鬱大学」坂口恭平

 メンタルの化け物と長い間言われてきた。中学生ならば即自殺してもおかしくないような扱われ…

泥辺五郎
2週間前
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「生き直し」岡部えつ

 幼稚園年長組の息子の卒園が近づいている。「幼稚園に行くのはあと◯日」と毎日言っており、…

泥辺五郎
2か月前
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「嘘を愛する女」岡部えつ

 脳脊髄液減少症による3週間の入院生活明け、退院日翌日に、市役所を訪ねた。娘の通うデイ・…

泥辺五郎
2か月前
16

Kindle出版物で心動かされた本5冊

 入院18日目。入院中読んだ本の数は43冊となりました。当初は「哲学攻めっか! 古典挑むか!…

泥辺五郎
2か月前
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「3年間、失敗し続けたら作家になっていた話」はたらくたぬきち

*  今後自分はどうなるのだろう、と考えるとあまり眠れなくなり、睡眠薬をもらって飲んでい…

泥辺五郎
2か月前
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「臣女」吉村萬壱(再読)

 入院生活も長引くとKindle Unlimitedで読みたい本を探すのも大変になってくる。それならばい…

泥辺五郎
2か月前
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文芸部の出てくる小説紹介#シロクマ文芸部

 文芸部の出てくる小説を紹介してみる。  佐川恭一「サークルクラッシャー麻紀」  作者の母校、京都大学の文芸サークルをモデルにして、そこに現れるサークルクラッシャーの美女「麻紀」がいかにサークルをクラッシュさせていったか、という話。作者はその後「シン・サークルクラッシャー麻紀」で今作をグレードアップさせた。  転職時、明日が面接だという日に佐川恭一の電子書籍を三冊読むという暴挙に出た思い出。今の私がいるのは佐川恭一氏のおかげかもしれない。  ちなみに「公募王」佐川恭一

原民喜「廃墟から」感想 原爆投下直後の広島の日常 #シロクマ文芸部

 平和とは何かと考えたが、戦争が起こっていない状態とはいえ、今のこの国の日々が平和とは言…

泥辺五郎
9か月前
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母がニルヴァーナを聴いている/自由律俳句風に作品を紹介

母がニルヴァーナを聴いている 角田光代「ロック母」 作品のあらすじや感想や登場人物の心境…

泥辺五郎
1年前
9

2022年読んだ本まとめ

感想は書く時期もあれば書かなくなる時期もあり、今は書かなくなった時期。読んだ順。途中から…

泥辺五郎
1年前
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「電柱鳥類学」三上修

 人は二種類に分類できます。  ボケを挟まないと生きていけない人と、そうでない人と。 「電…

泥辺五郎
1年前
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大きくなりすぎた金魚はどこへ行くのか

 大滝瓶太「ヒア・ゼア・エブリウェア」の終盤、金魚が動かなくなる。飼い主のイルという女性…

泥辺五郎
1年前
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自分は本当に一日100ページ以上本を読んでいるのか検証してみた

読書メーターによると、先月も今月も、私は一日100ページ以上本を読んでいるらしい。 そんな…

泥辺五郎
1年前
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吉村萬壱「CF」

誕生日に、二冊の本を買った。 Twitterで一言、呟いてみた。 (「ポラード病」→「ボラード病」が正解) すると作家さん本人から、祝辞とお礼の言葉をいただいた。 そんな素晴らしい世界に生きている。 「責任を無化する業務を行っている」と噂される大企業「CF」についての話。「CF」に様々な観点から関わる人々の群像劇となっている。 政治家の収賄も、陰惨な事件も、あっという間に風化され、被害者の悲しみすら責任の無化とともに消え去ってしまう。自らの起こした罪を無化してもら