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アギトと母方祖父

仮面ライダーアギトを最近、視聴し直そうか悩んでおります。
昔から思っていましたが、津上翔一が亡くなった母方祖父によく似ていて安心感と共に永遠に自分達には伝わる事の無い悲愴感と慈愛を重ね合わせておりました。
そう言語化できるようになったのも最近なのですが。

そして、特別な力は持たないかもしれないけれど愚直に自分の出来る事でアンノウンの驚異から他者を守る氷川誠の強さを知り、『例え弱いと思われても、積み重ねた想いと経験は活きていくと信じたい!』
そう自分に思わせてくれた。

葦原涼は何も悪くないのに力に目覚め、アンノウンによる理不尽な仕打ちへ不器用ながらも戦う外見も精神もワイルドな存在として未だに目に映ります。
特にZ世代キックボクサーを観ていると全てでは無いものの葦原涼さんに似た雰囲気を試合でも公開練習でも感じますね。
こういう魅力をしっかりと描ける井上敏樹さんには頭が下がります。

アンノウンを絶対悪とは描かず、本編では人類を脅かす驚異でオーヴァーロード・テオスの命令で動く上にその気になればアギトでは無い人間も始末してしまう機械的な未知の生命体として登場させたのはミステリーのような雰囲気も味わえる…のですがアンノウン(ロード怪人)の一見『アギト適正のある人間の親族を始末する』ルールがあってもオーヴァーロード・テオスが良くも悪くも人間にもアンノウンにも寛大であり、厳格でもあるからか描写の重さもあって色々と理不尽さを感じます。
クウガの後だった事もあるので。

その後!ミラーモンスターと様々な思惑を持つ人間が仮面ライダーになるという過酷な世界観が登場したのでアンノウンの徹底したオーヴァーロード・テオスの味方でしかないと言った恐怖が唯一無二の世界観を保っております。
光のエルの離反によって人類は力を得たものの、未確認生命体(アギト世界)の驚異が去った後にどうしようも無い現実を突きつけられ、アギトの力を得た物は基本的に今まで形成してきた人間関係や親交を絶たれてしまい絶望する人間の弱さが余りにもリアルなので日常シーンが光のです。

話を戻しますが、母方祖母にしか…いや母方祖母にも語る事は無かったけれど愛は本物だった母方祖父の生き様に自分も突き動かさているのかもしれません。

割り切れない事ばかりで、何度嫌になったか分からない現実で今も自分が生きているのはきっと母方祖父が自分も最期まで信じてくれているからと私は捉えています。

私が悲劇的な作品やたった一つの想いを原動力に行動する登場人物がいる作品を好むのも、格闘技やプロレスを好むのも…全ては母方祖父の生き方に助けられたからかも知れません。

『可奈さん!生きてください!俺も生きます!』

と変身した津上翔一にいつも奮い立たせられています。
彼の中で、人間関係で理不尽かつ許せない出来事や過去もあったかもしれない。

誰よりも死にたいと叫びたかったかもしれないその想いと闘い続ける仮面ライダーアギトの登場人物を知る事が出来て良かったなと今は感じております。

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