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怪談・THE私99最終回

※個人の怪談です。
これで最後の。

  百物語形式で続いたこの怪談。
  どれだけ暗く彩られた空間、世界、体験があったのだろうか。

  影は黒く映る。
  元は様々な色素があると学者は言うが。

  怪談を通して考えるのは、それはそれで色とりどりだったのではないかと問うてみたい。

  明るい人間だろうとハイスペックだろうと、人間同士でそれを考えても、自身の輪郭を調べること以外にはあまり役立ちそうにない。

  そんな人間が語り続けていく怪談が秘めるテーマはなぜに平等かつ多様なのか?

  それは捉え方の違いだけではなく、残酷な生まれによって決まる現実から生まれた産物とも言える。

怖いのだ。
皆、この先が。

  振り返った過去に穴があいている状態で進むことが。
  退くことが。
  生きることが、死ぬことが。

  なればこそ、怖い話は一体化する。
  もう霊や不可思議に頼ってはいられない。

  守護や加護がすぐそばにあるのなら、恐怖も危機もそばにある。

  終わりが見えない道を歩み続ける限り、怪談は生まれる。

  ここまで来たからって百番目は語らない。
  もうこの本棚はとっくに百を超えた話が存在するが、地続きの怪談は一つにまとめるとして…もう一本のロウソクはどのように消えるのか。

  消えた先に何が待つのかは今後を共に見守ると致しましょう。

※ここまでご拝読いただいた皆様には感謝しきれません。
ありがとうございます。

百を突破した先の煩悩。
遅すぎることはない隣り合わせの望み。
渇きをまた潤す三桁を財布にあらんことを。


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