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いつか打ち明けられるのなら

「二人ほどつらくはないだろうけれど、平西さんは薄毛を気にしているし、鈴木さんは腰痛持ちだし、住川さんは年中肩が凝ってるらしいし、心身ともに迷いなく健康な人ってそうそういないもんだよね」

夜明けのすべて 93ページ引用
                         

    たまたまYouTubeで流れてきたいらないニュースで精神か心身障がいについてだいぶ酷い医師の発言に疑問を持ったと思うコメントの中に

「夜明けのすべてを見てほしいな。」

    と発信してくださった方がいらしたので早速買って読んでみた。
    いつもの綺麗事かと思って期待しないで読んでいた時に藤沢ふじさわさんと山添やまぞえさんの唐突な生きづらさと治らない生きづらさに絶望していてやっと彼女達が務めた会社で社長が山添さんを心配した藤沢さんに話してくれた言葉を上記にて引用した。

    読書をしていつ以来だろう。
    もしかしたら初めてかもしれない。
    涙があふれ、そして医療への疑問や藁をも掴む思いで信じた確証かくしょうのない綺麗事に傷つけられた側の話を描写してくださり、そして重さ軽さはあれど心身の悩みについても言及げんきゅうがあることを。

     そして自分自身も乗り越えた痛みを忘れてしまってどこかで誰かを傷つけてしまったのかもしれないと考えにいたった。
     今までもなかったわけではないはずなのに、一部の当事者達のエゴや自尊心を満たす集まりに傷つけられ挙句の果てに地上波の権威すら痛みを乗り越えた強者を持ち上げたこの世の中に自分自身も絶望をしていたことをようやく打ち明けられることに自分のことばを言語化する重要性にもっと…もっともっとはやく創作でもない感想でもない温かな行動とことばを大切に出来なかったことを改めて悔やむ。

     現実は誰しも等しく残酷ざんこくで、正解が見えない道を誰かと比較せざるを得ず歩かされて歯車がくるっていくのをぼんやりと見つめるしかないと。

     そしてそれは自分だけだと勘違いしてしまうことの怖さになれてしまうかもと気をつけていたはずなのに。

      気がついたら一気に読んでしまっていて、登場人物達がかすかな希望を抱く姿に少しでも安心することが出来た。
      この出会いはきっと当然でも必然でもない。

     だからこそ固定概念にとらわれたくない。
     疑問は解決せず、葛藤は続くもの。

     だからこそ。
     だからこそここから記録を続けていきます。

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