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尾道と静かな贅沢

犬を両親に預かってもらって、久しぶりに旅に出た。
行ってみたい場所リストにいつも入っていた尾道のホテルLOGに泊まること。それだけを決めて飛行機に乗った。

100段ある階段を登った先にそのホテルはあった。ピンクのようなベージュのような柔らかい色に包まれた、レトロさを残したアパートメントのかたち。

建築家のBe gentleという言葉通り、一歩足を踏み入れるだけでやさしさに包まれる感覚になる。

全体的に内と外の境い目がゆるやかで、手入れしすぎていない庭の自然ななりが美しい。日常と非日常のあいだ。

部屋の窓からは穏やかな瀬戸内海の海がキラキラと輝いていて、かすかに船の音が聴こえる。観光地っぽすぎず、かつての日本の面影を残したその街は文化的な雰囲気もあり、すぐにまた来たいと思った。

旅に出ると次の電車の時間を待つなど、ぼんやりとした時間が生まれる。効率的に考えようとするクセが自分に染みついていることにハッとする。

少し前にクワイエットラグジュアリーという言葉を知ったけれど、LOG、そして尾道の街にクワイエットラグジュアリーを感じた。さりげない余裕があるのだ。

LOGの建築デザインをしたスタジオムンバイにとても興味が湧いて、早速本を購入した。

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