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Love myself, first. #私のご自愛

昭和生まれで、長女で、常に誰かと比べたり比べられたりするのが当たり前の環境で大人になった私は、30代半ばまで世間体とか常識とか学歴とか会社の名前とか、そういうものに無意識に縛られていた気がします。

がんばらなきゃ!が口ぐせだった。

就きたい仕事につけても、住みたい街に住めても、欲しかった靴や服を手に入れてもどこか満たされず、今よりもっとよくならなきゃ、そのためにはもっと色々がんばらなきゃと、当時の私は常に肩に力が入った状態でした。
雑誌やSNSで見つけた素敵なものや周りからの評価、彼氏など、いつも自分以外の外側に何かを求めていて、そのままではダメな自分を大きく見せてくれる何かを探していたのかもしれません。

35歳独身、家を買う。

そんな私が自分を大切にすることや今の自分のままでも十分だという考え方にたどり着くまでに、正直これと言った明確な何かがあったわけではないのですが、きっかけの一つとしてパッと思い浮かぶのは、35歳の終わりにローンを組んで自分でマンションの部屋を買ったことです。

20代後半から35歳まで、賃貸で同じ部屋に一人暮らしをしていて、立地や内装は気に入っていたものの、ソファを置くとダイニングテーブルが置けなかったり、洗濯物を思いっきり干せなかったりと、無意識のうちに諦めている小さな不満が実は色々ありました。
私は昔からなぜか結婚願望があまりなく、なのにこの部屋はいつか誰かと結婚でもして引っ越すまでの仮暮らしの部屋だからと勝手に自分を我慢させていた気がします。ある日部屋の掃除をしていたとき、よく分からない未来のために今の生活をちょっとずつ我慢してるのって一体何のためなんだろう?と思い、ふと家を探し始めました。そして初めて内見に行った今の部屋を見た瞬間、絶対に私はここに住みたい!と直感的に思い、他の物件を見ることもなくすごいスピード感で引っ越すことに決めました。

引っ越してから、自分はローテーブルではなくダイニングテーブルできちんと食事をしたかったんだ、洗濯物を思いっきり干したかったんだ、一日中家にいても息が詰まらないスペースが欲しかったんだ、食器をちゃんと棚に収納したかったんだ、などということに気がつき、そのあたりから自分の心の奥の声に耳を澄ませてちゃんと聞くことの大切さを少しずつ実感するようになりました。

それからローンを組んだ(背負った?)ことで、自分を自分で養う責任感が生まれ、自分の内側の男性性と女性性の存在をなんとなく意識するようになったのもこの頃からかもしれません。

平成が終わりを迎えるタイミングでも「女性が1人で家を買うってことは結婚を諦めたんだね」なんていう声も聞こえてきましたが、そんな声も気にならない程の満たされた感覚がありました。
新しい部屋に合うクッションを買ったり、ラグを敷いたり、花を飾ったりするうちに、少しずつ自分で自分を満たすことの心地よさに気づいていった気がします。

ワイヤーで自分の胸と心を締め付けていたあの頃。

2000年代前半、私が大学生の頃、時代はグラビアアイドルの女性が流行っていて、その影響か、分厚いパッドの入っていてワイヤーでギュンと寄せて上げるタイプのブラが主流でした(ノンワイヤーなんて選択肢は全くありませんでした)。
大して大きくもない自分の胸がなんとなくコンプレックスで、ワイヤーの跡がミミズ腫れみたいになってもそういう下着を選んでいたし、背伸び?してアンダーを細く申告してカップのサイズを無理やり上げたりしていた気がします。今の時代じゃ完全にアウトなセクハラだけど、ブラジャーのサイズが何カップかを、どれだけの男の人に聞かれたか分かりません。それは学生時代だけじゃなく社会人になっても。誰かにとっての理想の胸の形やサイズと自分を比べて、勝手に自信をなくしていた昔の私をギュッと抱きしめてあげたい。
でも当日はものさしが自分の外側にしかなかったから、周りの価値観に自分を合わせることしかできませんでした。

自分を愛することは才能ではなくスキルだと思う。

ご自愛=自分を愛する。これはなかなか難しく、私にとって一筋縄ではいかないテーマです。わがままとも紙一重だし、今でも特に仕事をしているときは自分の気持ちやスケジュールをつい後回しにしてしまいがちです。ただ自分を愛せない人が他の誰かを愛せるはずがないし、誰かに愛されることばかり求めても何だかキリがない。

学校で自分の愛し方なんて誰も教えてくれなかったから、今もトライ&エラーを繰り返しながら不器用に学んでいる途中ですが、私の場合は例えば部屋に季節の花を飾ること、いい香りに包まれて眠ること、たまには高級なホテルに泊まって一流のおもてなしを受けてみること、誰に見せるためでもなくて自分の心がときめく心地良いランジェリーを身に付けること、そのとき食べたいものを食べること、そして嫌だと感じたことは勇気を出して嫌だと言うこと……。そういう風に自分を大切に扱うことを小さく積み重ねていくことが“ご自愛”となり、巡り巡って大切な人や周りの人たちを本当の意味で愛することに繋がるんじゃないかなと思います。

自分を愛することは生まれ持った才能ではなくて自分で努力して身に付けるスキル。自分の愛し方に答えはないし、自分が心地よく感じたらそれが正解。
だからLove myself,first!まずは自分を精一杯愛しましょう。 

このnote は「ご自愛ブラ」の発売を記念して執筆致しました。
#私のご自愛  で エピソードを募集しております。ぜひご参加ください。
https://www.makuake.com/project/tigerlily/


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