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【演じる楽しさのある落語ばなし】夏のかみしばい『さらやしきのおきく』


幅広い年齢層で楽しまれている、人気の落語紙芝居です。

ある日、町の長屋でおきくの幽霊のうわさをしていた男たち。
お皿を一枚なくした無実の罪で命を落としたおきくが幽霊となり、おきくのかぞえる「9まい」の声を聞いたものは、死んでしまう……そんなうわさが知られています。
一人の男が、言いました。


「ほな、7まいで にげて かえったら ええのと ちがうか?」
「ああ、そうか。
 9まいに のろいが かかってるなら、
 7まいでにげたら しぬことは ないわ。」

男たちは町はずれの古屋敷へとくりだします。

「でたあーっ!」


井戸からでてきたおきくの幽霊が、皿の数をかぞえます。
「3まーい、4まーい……」

「あと、3まいで、ダァーッと にげや。
 とちゅうで こけたらあかんで。」

「5まーい、6まーい、7まーい……」

「そーれっ、にげよーっ!」
男たちは、耳をおさえておおいそぎで逃げかえります。

「おきくさんは びじんやったな。」
「おもしろかったな。」

うわさを聞きつけ、おきくを見ようと、たくさんの見物人がくるようになってしまい……。



古典怪談『皿屋敷』を元にした、わらい話の落語紙芝居。(*1)
前半は『皿屋敷』のあらすじが、後半は怪談のパロディとして、コミカルなストーリーが展開されます。
画家の久住卓也さんの、怖すぎない親しみやすい絵がなんとも魅力的です。

脚本は落語家の桂文我さん。関西弁をいかした語り口で、演じる楽しさのある紙芝居です。
「5まーい」「6まーい…」
皿の数を数える場面は怪談らしい怖い魅力もあり、観客がひきこまれます。

高齢者施設でのお話会や、小学生向けのお話会など、幅広い年齢層で楽しまれている人気紙芝居です。

16場面、4・5歳から。
(桂文我 脚本/久住卓也 絵)

▼この作品が収録されている紙芝居セット
桂文我落語紙芝居 (全6巻) 


*1:本作の元となった落語では、古典怪談『皿屋敷』の内容を知っていることがお話を楽しむ前提となります。
このため、この紙芝居では前半に、下記のような、残忍な愛憎劇である古典怪談『皿屋敷』の内容を描いています。

姫路の代官、青山鉄山(あおやまてっさん)の屋敷で働いていたおきく。
てっさんはおきくを妻にと望みますが、断られたてっさんは、おきくを憎むようになります。
ある日てっさんは、大切なお皿10枚をおきくにあずけますが、おきくの留守中にお皿を1枚自らぬすみだし、皿をなくした罪でおきくを責めて井戸にしばりあげ、刀できりつけ井戸になげこんでしまいます。
無念の死をとげたおきくは、幽霊となっててっさんの前に現れます。てっさんは心乱れて自分でのどをつき、自らの残忍な行いの報いを受けます。



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