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エッセイなど

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思想的なもの、Hiphop以外の音楽、芸術全般についてです。
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記事一覧

アートとラップ、アート・ラップの再検討(Earl Sweatshirtとbilly woodsを例に)

はじめに 私たちの生きる現代が獲得したものは、言うことの疚しさだった。 現代という「最新…

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久世
1年前
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「Let It Be」「Runaway」「Alright」という内的闘争の帰結、"かるみ"について

はじめに今回は、The Beatles「Let It Be」、Kanye West「Runaway」、Kendrick Lamar「Alright…

久世
2年前
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海外アーティスト理解のためのヴィーガニズム 〜"正し…

1、はじめに私たちは現在、自らの欲求のために、自由のために、正しさと戦う時代にいる。ほと…

久世
2年前
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THE BLUE HEARTS「月の爆撃機」解説(甲本ヒロトの詩について)

はじめに、ブルーハーツの詩について私は、ブルーハーツの最高傑作(少なくとも詩において)を、…

久世
2年前
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"天才"鴨居玲と芸術家の不幸

よく言われるように、鴨居玲の画業には時間性が埋葬されている。動的であるがまま、もしくは動…

久世
2年前
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「風街ろまん」と仏教

芸術において重要なのは、なにを語るかではなくむしろ、なにを語らないかである。 郷愁に答え…

久世
2年前
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「青春と自殺」死ねないから、生きる

青春時代にやり残したことといえば、まず自殺だろう。 それは気が狂うほど考え、絶望に打ちひしがれ、社会を嫌い、同調と強制を憎み、弱者を救おうとし、周りを白痴だと思い、不正を糾弾した時代だ。死と不条理とセックスのみを考える時代だ。それ以外は偽物だ。 あの頃は、情熱的に絶望していた。どん底に落ちうるエネルギーがあった。しかし、脱した。血の滲むような格闘などなく、時間だけが情熱と絶望を消費していった。ただ脱した。〝青春のさなかに自殺する勇気がなかったものは、生涯そのことで自分を責める

人生は、繰り返しとの戦い

私は、それでなにになるのか、だからなんなんだ、との戦いを一生続けていくことを宿命づけられ…

久世
2年前
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芸術について

芸術の本質は自我にあり、その表現の本質は婉曲と迂言にある。 私が音楽ジャンルでとりわけHip…

久世
2年前
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神について。そうであるから、そうである。

まず、神が在るとして、神は変更を欲しない。2×2を5にしうるが、(この事実は私たちの能力が神…

久世
2年前
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あなたの人生はあなたのせいでもなければ、あなたのおかげでもない。偶然性の必然性に…

あなたの人生はあなたのせいでもなければ、あなたのおかげでもない。 あなたがもし私なら、あ…

久世
2年前
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"思い出とは、持っているものなのだろうか、失ったものなのだろうか。"

「思い出とは、持っているものなのだろうか、失ったものなのだろうか。」ウディの命題がある。…

久世
2年前
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「サピエンス全史」より、人間と文明と幸福

サピエンスの史上目的は幸福であった。 ハラリはこれを知っていたし、認めていた。歴史家とし…

久世
2年前
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ドストエフスキーと人間と倫理

ドストエフスキーの思想の根幹は、全てへの無意識的かつ無条件の肯定である。理論の放棄である。そして、それによる苦しみからの解放、つまり、幸福の希求である。 まず、ドストエフスキーは、元来の信仰者では決してない。ドストエフスキーの根底は、自我の人であった。この神と自我、信仰と現実、理論と実際、意識と無意識という対立構造は、ドストエフスキー作品においての基本建築である。 この2つを揺れ動く矛盾に満ちた存在こそが、彼の愛すべき人間であり、彼の作品の登場人物であり、当然彼自身でもある