「青春と自殺」死ねないから、生きる
青春時代にやり残したことといえば、まず自殺だろう。
それは気が狂うほど考え、絶望に打ちひしがれ、社会を嫌い、同調と強制を憎み、弱者を救おうとし、周りを白痴だと思い、不正を糾弾した時代だ。死と不条理とセックスのみを考える時代だ。それ以外は偽物だ。
あの頃は、情熱的に絶望していた。どん底に落ちうるエネルギーがあった。しかし、脱した。血の滲むような格闘などなく、時間だけが情熱と絶望を消費していった。ただ脱した。〝青春のさなかに自殺する勇気がなかったものは、生涯そのことで自分を責める