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インフルエンザとDIE WITH ZERO

インフルエンザの最中、図書館から「予約本の準備ができました。」というメールが届いた。

この本は2020年に出版されたものだがとても人気があるらしく、
図書館で予約したら、確か予約順位100番目ぐらいだった。
一人当たり最大値の2週間借りるとすると、200週間待ち、ということになる。
200週間・・・は待たなかったと思うけれども
ずっとずっと前に申し込んだことは間違いない。

それがインフルエンザの最中に

「準備できました」

ときたのだ。
なぜこんな時に?と思うが、これを逃したらまた何週間待つかわからない。
そんなに読みたいなら買えばいいではないか、と思われるかもしれないが、なるべく家に蔵書を増やしたくないし、「どうしても」の本以外は図書館にお世話になりたい派なのである。
まあ、いわゆる”けちんぼ”というやつだ。

お嬢に何週間もこの本の予約を待った旨伝えると、快く図書館まで行ってくれた。

かくして満を持して私の手元にやってきた

DIE WITH ZERO

インフルエンザの熱が下がっても、ベッドの上から数日間全然動けないほどに体力を奪われた私だが、幸いアニメを見る力とnoteを書く力と本を読む力は残っていた。

さてこの本。
最初のページを読んだ瞬間から衝撃的だ。

アリはいつ遊ぶことができるのだろう?

DIE WITH ZEROより引用

そう、これは有名なイソップ童話「アリとキリギリス」のお話。
私たちは小さい頃から、アリこそ美徳でキリギリスのようになってはいけない、とさんざん叩き込まれてきた。
だからこそ、

自分のためにお金を使うのはいつ?

と考えると、私はいつも心の中で

もっと先。

と思ってきた。
老後の暮らしが不安だし、まだまだ子供たちにはお金がかかるし・・・。

でも本書はこういう。

「今しかできないこと」に投資をする
一刻も早く経験にお金を使う

DIE WITH ZEROより引用

もちろん節約は大事だ。
老後、日々の食べ物や住まいを心配しながら暮らすのはいやだもの。
だけど、

人生で一番大事なものは「思い出作り」であり、それは老後、なにより価値が高まるものなのだ。

DIE WITH ZEROより引用

と言われて私はハッとした。

モノの消費は、カタチあるものだから、いずれ壊れたりなくなったりしてしまう。
だけど思い出は永遠だ。

しかし厄介なのは、だいたいの”やりたいこと”には期限などなくて
やろうと思えば”いつでも”実現可能なことが多い。
だからついつい先送り、先送りにしてしまう。

いつでもできる

からこそ、何かと理由をつけて

いつまでたってもやらない。

もしかするとやらずに一生を終えてしまうことだってあるかもしれない。
私たちは明日が来るのが当たり前のように思っているけれども
インフルエンザだって私はなりたくてなったわけではない。
偶然のいたずらが私をインフルエンザにさせた。
元気な明日が絶対にあるなんて妄想だ。

それに本書が言うように経験をする最適の時期というものがあるのではないか。
子供たちの手が離れて、自分のためにお金を使っていいよ、という年齢には
もしかしたら私は元気ではないかもしれない。
体力が衰えて、思う存分楽しめないかもしれない。

自分のお金を死ぬ時にゼロになるように最適化して死ぬ、というのは
いつ死ぬかわからない以上難しいことだと思うし、怖さもあるので本書をまるごと肯定できるわけではないのだけれど、この本を読んで大いに思うところがあった。

やりたいことをやらずに後悔したくない。

私は考える。

「私のやりたいこと」ってなんだろう?

すぐに思いついた2,3個は、どれも同じ系統のものだった。
それに気がついたら焦燥感にかられ、今すぐやらなくては!と思ってしまった。

私はまだうどんしか食べられない、というインフルエンザの最中、
いや、インフルエンザだったからこそか。
とあることをやろうと計画の実行を始めた。
子供たちには何もこんな時にやらなくても・・・と半ばあきられたけれども。
でも反対されなかった。
我が家は私の絶対王政だからね(笑)

今、私はワクワクがとまらない。
一歩一歩計画の実行が始まる。








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