鷲見精一

コントラバス奏者・指導者、サッカー指導者。国内オーケストラへの客演、全国の吹奏楽部・管…

鷲見精一

コントラバス奏者・指導者、サッカー指導者。国内オーケストラへの客演、全国の吹奏楽部・管弦楽部への出張指導、講習会講師を務めている。「中学生・高校生の為のコントラバス・ソロコンテスト」主宰、少年サッカースクール「所沢サッカーボーイズ」代表。日本サッカー協会公認キッズリーダー。

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    コントラバス奏者、指導者としての活動を通して感じたことを書いていきます

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    コラムサイト「Junkstage」で連載していたコラムを少しずつこちらに移行していきます。

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    コントラバスを演奏している人を応援するマガジンです。

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    コントラバスに関する質問をまとめました。

  • パパさんコーチの練習ノート

    息子のためにサッカースクールを立ち上げ、「楽しいサッカー」を追求するパパさんコーチのメモ代わりの記録です。日本サッカー協会公認指導者ライセンス・キッズリーダー取得。

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吹奏楽の常識非常識

 今年も吹奏楽コンクールが始まり、全国に指導に出かけていますが、相変わらずコントラバスについては不思議な、奇妙な常識が蔓延っています。 《楽器を客席に向けろ》  未だにこれを言う指導者が多いんです。  どういうことかと言うと、「普通」コントラバスは指揮者に正対して楽器を構えて演奏しますが、吹奏楽部では稀に、楽器を客席に向け、首だけを指揮者に向けて苦しそうに演奏する姿を見かけるのです。野球の左打者が打席で構えているような姿勢というと伝わりやすいでしょうか。当然、首だけが指揮

    • 第49回日本フィル九州ツアー

       昨日まで、日本フィルハーモニー交響楽団の九州ツアーに参加してきました。  私がエキストラとして初めて日本フィルに伺ったのが1998年。そこからもう25年になるのですが、この九州ツアーは初参加。「毎年九州に長いツアーで行っているらしい」という程度の認識でした。  ツアー前に団員さんたちから「とにかく長くて過酷です」と言われていましたが、私はこれまでに比較的長くて過酷なツアーをいくつも経験しているので、まあ大丈夫だろうという根拠のない自信がありました。  夜本番を終えてメン

      • 緊張すること

         先日、妻のママ友さんからある相談を受けました。  彼女は最近になって趣味でヴァイオリンを始め、今度発表会に出る事になったのだそうです。ところが、初めての伴奏合わせで手が震えてしまい、そこから演奏するのが怖くなってしまったと。一緒に習ってる子供たちは誰も手なんか震えてない、これは普通なの?どうしたら良いの?というのがその内容でした。  これに対して私の返答は  「子供よりも大人のほうが長く生きてきて既に緊張という現象を知っているから緊張しやすいです。プロの弦楽器奏者でも

        • 2024 謹賀新年

           明けましておめでとうございます、と、年が明けてから9日目に書いています。  元旦から能登半島地震、2日には羽田空港の航空機衝突事故に山手線の刺傷事件と波乱の年明けとなり、あまりお祝い気分で文章を書く気にはなれませんでした。  年末年始ですが、大晦日はミューザ川崎でジルヴェスターコンサートでした。以前から注目していた天才トランペット少年児玉隼人君を始めとする素晴らしい若手演奏家たちとの共演。児玉君のお父さんは東京音楽大学時代にしたしくしていた後輩で、素晴らしいテューバ奏者

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          バルカン室内管弦楽団との幸せな日々~2023

           バルカン室内管弦楽団の日本ツアー2003に賛助出演してきました。コロナ禍もあってバルカンに参加するのは4年ぶり。  バルカン室内管弦楽団をご存知ない方の為に説明すると、バルカン地域で内戦を続けていた民族の共栄を願って指揮者柳澤寿男さんが設立した室内オーケストラで、コソボやセルビア、マケドニアなどのメンバーを中心に結成されており、日本ツアーの際には足りないセクションを日本人で補うため、私にも4年前にお誘いがあり、その御縁から今回も出演する事になりました。  今回はバルカン

          バルカン室内管弦楽団との幸せな日々~2023

          SIOフィルハーモニックウインドオーケストラドリームコンサート

           先日、SIOフィルハーモニックウインドオーケストラドリームコンサートという演奏会にお声がけ頂き、コントラバス首席として出演させて頂きました。  このコンサートは吹奏楽界の伝説ともいえる指揮者・汐澤安彦先生の元で学び、その後プロとして活動している演奏家が集まって一夜限りの演奏を行うという企画です。  必然的に汐澤先生が教授を務める東京音楽大学の卒業生やプロオケのメンバーが中心となる訳ですが、今回も素晴らしいメンバーが集まっていました。  第1回公演が開催されたのはずいぶん

          SIOフィルハーモニックウインドオーケストラドリームコンサート

          母の傘寿コンサート

           2023年7月15日、母の傘寿コンサートに出演しました。  傘寿といえば80歳。息子ながら母はその年齢には相応しくない若さを保っていると感じますし、友人知人からも「年齢が信じられない」とのお言葉を頂戴する事も多々あります。ただ身近にいると、流石に年齢からくる母の体力の衰えを感じざるを得ない場面も多く、心配になる事も増えてきました。     今回のコンサートは現役の生徒さんに始まり、母の元を巣立ちピアニストや指導者として活躍中の方、そして今やソリストとして国際舞台で活躍する

          母の傘寿コンサート

          人生の無駄な時間を悔いる

           先日、親しかったママ友さんが亡くなりました。  家も近所で、共に長男長女の組み合わせで子供たちが同じ学区、娘同士が仲良しで同じピアノ教室、お父さんと僕はサッカーという共通の趣味を持っていて、僕たち夫婦とママさんは同い年で、特に僕の妻とママさんは本当に仲が良くてまさに家族ぐるみのお付き合いでした。  数年前に妻が泣きながら「彼女、癌で余命宣告されてるんだって」と告げてきた時は驚きましたが、それから彼女はとても頑張っていました。  少し前から寝たきりになったと聞いていたので

          人生の無駄な時間を悔いる

          修理は専門家に任せようという、当たり前の話

           昔から、吹奏楽部には管楽器のリペア業者さんが出入りしていて、楽器のメンテナンスなんかを請け負っていらっしゃいます。吹奏楽の中心は金管・木管・打楽器ですから、これは当然の事です。ところが、コントラバスの修理はコントラバス専門店に持ち込まれているかというとそうでもなくて、扱いは管楽器リペア業者さんに委ねられている事が多い。今回のテーマはここにあります。  当然、管楽器リペアさんですから弦楽器はフィールド外という事になるのですが、「弦交換くらいならウチがやります」といって弦を全

          修理は専門家に任せようという、当たり前の話

          激動のアルバイト体験史

           なんだか音楽家がバイトしていいのかとか、お金の話をするべきなのかみたいな話がSNSで話題になっています。  私は下衆にならない程度にお金の話はするべきだと思っているし、稼げないなら副業でもバイトでもやりゃいいと思っています。事実、私はこれまでに数えきれないくらいアルバイトや派遣社員を経験してきました。今回はそんなアルバイトの経験談を記してみようと思います。 ガソリンスタンド  最初にアルバイトをしてお金を貰ったのは親戚の経営するガソリンスタンドで、夏休みや冬休みに「社

          激動のアルバイト体験史

          「叱る」と「脅す」

           こんにちは。  先日、父が僕の息子のレッスンに来てくれて、終わったあとコーヒーを飲みながら指導についての話になりました。  きっかけは楽譜と音が一致しない生徒についての相談から始まったのですが、そこから空間認知能力、身体と脳の繋がりの話になり、「怒鳴りつける指導者」の話題になりました。「人間は怒鳴られると身体が緊張・委縮して筋肉が固まるから、そんな事をしてから良い演奏が出来る訳がない。すぐ怒鳴りつける指導者はそれを理解していないから勉強が足りないんだ」という内容。  

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          ネット社会、情報の取捨選択

           私がドイツ留学から帰国した1997年、まだパソコンは一部の人のツールに過ぎず、大きな箱型のデスクトップが主流でした。スマートフォンも無くて、折り畳みの携帯電話がようやく普及し始めたくらい。  そんな中、「帰国記念に」と後輩が組み立ててくれた自作PCで私はインターネットと繋がるようになります。 パソコンとの出会い  最初はとにかく手軽に情報を得られるツールてある事に衝撃を受けたのを覚えています。音楽や格闘技、そしてアングラな世界までネットサーフィンしまくっていました。  

          ネット社会、情報の取捨選択

          吹奏楽部の「ベー読み」

           先日、地元中学校のコントラバスレッスンの依頼を頂いて指導に伺いました。この地に越してきて約10年、やはり地元に貢献したいという思いはあるので、少なからず嬉しい気持ちでした。  本当は2年生と3年生の2名が受講予定でしたが、当日来たのは3年生のみ。という事で3年生とのマンツーマンレッスン。  とても素直な子で反応も良く、レッスンは楽器の状態チェックから右手の基礎、弓の使い方までスムーズに進んだのですが、その時生徒さんから「どうやら私は音符の読み方が普通じゃないみたいなんで

          吹奏楽部の「ベー読み」

          人って変われるんだぜ

           私は大人しい小学生でした。  往復3時間の通学時間はずっと電車の中で星新一やコナン・ドイルを読むような少年で、いつの間にか「図書館にあるどの本を取ってもあいつの名前がある」と言われるほど良く読書をしていました。学校が遠かったので地元に友達もいなくて、休日は家で安全地帯やビリー・ジョエルを聴きながら読書。  目立ったり派手な言動が嫌いで、クラスでは大人しいメンバーと集まっていましたし、特に成績が良い訳でもなく、下から数えた方が早いくらいの身体能力だったので運動でも目立つこと

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          第3回コントラバスコンテストを終えて

          2023年3月28日、文京シビックホール小ホールにて私の主宰する「第3回中学生・高校生のためのコントラバス・ソロコンテスト」が終了致しました。今日はその感想などを書き連ねてみようと思います。 プログラムの代表挨拶にも書きましたが、クラウドファンディングで資金調達をしたことによりネットで批判されたりしつつ無我夢中で駆け抜けた第1回、コロナ禍ど真ん中で強行開催した第2回と、ここまでドンと構えて迎えられた事のないこのイベント。3回目ともなれば少しは落ち着いた気持ちで当日を迎えられ

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          コロナ罹患メモ

           この2年半感染には細心の注意を払い、コロナとは無縁だった僕ですが、先日ついに子供から罹患してしまい、隔離期間を過ごしておりました。流行に敏感な僕としては感染したのが遅いくらいですが、その間の記録と感じたことのメモなど。  想像に過ぎませんが、感染したと思われるのは子供たちと夏休みを過ごした期間で、水族館または海鮮料理屋か回転寿司ではないかと思われます。それ以外は海や寺院など人との接触が少なく野外という環境で過ごしていました。息子→娘→僕→妻の順番に発熱して一家全滅、数日間

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