収納の圧迫と現物の強さ

ギタースタンドを組み立てるにあたって「どこを」「なにで」「いくつ」留めるのかという事を決めます。これもまた段取りの分解です。最初はベースとなっている既製の踏み台を一部分解したときに抜いた木ネジを流用しようと考えていたのですが、これがメチャクチャ太くて長いので板を貫通してしまうことが発覚しまして。

なので以前ジャンクギターを修理するときにブリッジ取り付けネジ用としていくつか用意したうちのひとつである3.8の木ネジを使って位置と個数を設定していこうと思います。

無駄になってしまったものもこうやって役に立つことがあるから無駄とも言い切れない部分がありますね。点と点をつないで線にするときのひとつの点になりうるワケです。新しく用意しなければならなかったはずの点が最初からある。そんなお得感です。

通販で明日手に入るからモノを持たなくていいことは巨大な倉庫に大量の在庫を持った現代物流システムに支えられています。それは「倉庫にあるものの中から選ばざるをえない」ことを意味し、売れるものを物流システムの所有側が決める権力へと繋がります。メーカーよりもユーザーよりも販売する商社が強いということです。

今回は無駄の力によってネジ10本分だけ巨大システムに逆らうことができました。過度な効率は「それが得意なやつ」だけを有利にさせますので、適度に無駄を混入して私のように無駄ばかりな人間にも生きやすい世の中にしていきたいと思います。

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