書評「M-1はじめました」 成功するプロジェクトには周囲の反対があるものだよね!
こんにちは、サカモトです。
今回は「M-1はじめました」という本の紹介です。
今や年末の風物詩ともなったM-1という番組がどのようにできたのか、その裏側を番組制作に携わった吉本の元社員により書かれた本です。
今や日本で知らぬ人はいないぐらい、M-1って当たり前の番組となっているので、てっきり吉本の会社を挙げての企画だと思ったらそんなことはないんですね。
元々はたった一人の社員に当時の常務から「漫才を盛り上げるプロジェクトを任せる」の一言から始まった企画なんです。M-1みたいな番組をやってくれというわけではなく、「漫才を盛り上げてくれ」です。
当時は漫才はオワコンと考えられていて、漫才なんて今さら、、、という反応だったそうです。テレビ局だけでなく、吉本の社内でもそんな状況だったそう。
それをなんとか頑張って、新たな漫才のテレビ番組を立ち上げるとか、劇場で月1で漫才イベントをするとか、あの手この手を考えるのですね。まあまあうまくいったかなという感じなんですが、それでもなんか足りない、なんだろうと思った時に当時司会者で売れっ子だった紳助さんに相談することで事態は動きます。
「賞金1000万円のコンクールをやろう」です。いやーっ、やっぱり売れている人は発想が違います。
その一言で、作者がやる気になり、スポンサー探しと番組を放送するテレビ局探しをすることになります。
もはやオワコンと言われた漫才の番組であることから、これまで見たことも聞いたことない番組で、社外だけでなく、社内からも協力が得られない中、奮闘する話です。
作者が営業にスポンサー探しについて依頼すると表向きはわかったと言ってくれるも、裏ではスポンサーなんか見つかるはずがないから他の案件を優先してくれと言っていたとか。もう涙ぐましい状況に追い込まれます。
そんな涙ぐましい努力の中、なんとか番組を成立させるわけです。テンポよくまとめられていて面白いですね。思わず一気読みしました。
あと、ものすごい色んなエピソードが盛り込まれているので、長い期間の話かと思っていたんですね。しかし、読み終わった後に調べたら、漫才プロジェクトが始動したのが2001年4月、M-1の記者発表をしたのが8月、そして決勝が2001年の12月とわずか9ヶ月の話というのが分かって戦慄しました。
ちょっと時間軸がバグってる。
それにしても、よく言う「新しく始めるときに10人いてみんなが賛成するようじゃうまくいかない、3人くらいが賛成してあとはみんな反対するような状況で初めて成功する」ということをことを地でいく話ですね。
紳助さんと話をしたことが大きかったとはいえ、自分を信じてどんなに反対されても諦めずに泥臭く立ち向かっていくことの重要性がわかります。
話は変わりますが、最後に第1回の決勝の様子が描かれるのですが、プロならではの視点で分析されていて、うーんと唸らされました。なるほど、プロの視点は違うと。
それで思わず見てしまいましたが(Netflixで配信されています)、優勝した中川家やキングコングなど今でも活躍するコンビがいくつも出ていて面白かったですね。
この本の中で明かされていますが、優勝した中川家は、このM-1にいやいや出場していたとは、、、、もしかしたら中川家は出場しないで、優勝しなかったかもしれず、その後の活躍はなかったかもと思うと、人生はほんのちょっとしたことで変わってしまうんですね。
そういう運命論や才能論についても考えさせられる一冊です。
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