精神科医あやママ

こんにちは、あやママです。 息子2人の育児をしながら、都内で精神科医をしています。医療…

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こんにちは、あやママです。 息子2人の育児をしながら、都内で精神科医をしています。医療のことだけでなく、子育ての悩みなど手助けになる情報を配信したいと思います。ご興味持っていただきましたら、フォローをお願いします。

最近の記事

終わってない戦いはありますか?『ゴジラ−1.0』から学ぶトラウマと成長の心理学

映画『ゴジラ-1.0』は、「生きて抗え」という強力なメッセージを伝える作品でした。 この作品は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を予防する映画となりえると感じました。この映画を通じて、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、心的外傷後成長(PTG:Post Traumatic Growth)、二次被害、サバイバーズギルトに焦点を当て、精神科医の視点から解説します。 注意:ネタバレを含みます! 【心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状】 主人公の敷島浩一 (演:

    • 宮崎駿の最新作はラジカルアクセプタンスをテーマに?精神科医の考察

      このブログの著者は、精神科医でありながらVR映像にも携わっています。 「君たちはどう生きるか」のストーリーは一部が理解しずらかったものの、 作り手が伝えたかったメッセージがとても強く感じられたので、それについて解説してみたいと思います。 (ネタバレは最小限に留めます。) まず、作品の大きなメッセージ「おれの生き様を見ろ!」ということ。 1)「引退宣言」しても「引退宣言撤回」したり、 2)多大な資金を必要であれば「(日本を除く)Netflixでスタジオジブリを見えるように」

      • 兄弟のライバル意識を減らすためには、お互いを褒めることを賞賛しよう。小児精神科医が考える子育てのヒント。

        兄弟のライバル意識を減らすためには、お互いを褒めることを賞賛しよう今回は、兄弟のライバル意識強すぎる時の対処法のお話です。 兄弟のライバル意識が強すぎて、頑張ってくれているのは良いのだけれど、ちょっと心配になることがあると思います。 兄弟間で素直に褒めあったり、称え合ったりできないときは、葛藤がある状態です。 「すごいな」と思う気持ちと、「すごいと認めたくない」という相反する思いの両方があるのです。そうすると褒められなくなります。 そんなときに、親が褒めあったり、称え

        • ウルトラマンポーズと「レベル〇〇」で子どものやる気を上げる。小児精神科医が考える子育てのヒント。

          子どもが何かに挑戦したいと言ったら、挑戦させてあげたいものです。 学年が上がったり、環境が大きく変わるタイミングは特に挑戦したいという気持ちが湧いてきます。 子どもが何か挑戦したいけれども一歩踏み出せない様子であったら、子どもの好きなキャラクターのポーズをさせるのです。 私の息子はウルトラマンが大好きなので、「ウルトラマンポーズ」と掛け声をかけて、そのポーズを取らせることで、一歩踏み出す勇気を出させています。 もう一つ有効的なのが、チャレンジにレベルを付けて言うのです

        終わってない戦いはありますか?『ゴジラ−1.0』から学ぶトラウマと成長の心理学

          最近聞く、デジタル治療って何?

          最近「デジタル治療」と聞くようになりましたが、それは何?と思っていらっしゃる方をもいると思います。 「薬物治療」と言ったら、薬物つまりお薬で病気を治療をするということですよね。 「デジタル治療」と言う場合には、「デジタル、主にはアプリ」などで病気を治療するということになります。 「デジタル医療」、「デジタル治療」は新しい分野なので統一的な定義はありません。 一般的にいうと、デジタル医療、デジタル治療と行った時には、病気の診断・治療・予防に使われます。 (逆にデジタルツールと

          最近聞く、デジタル治療って何?

          色彩感覚も子どもの頃に鍛えた方が良いらしい。小児精神科医が考える子育てのヒント。

          今回は、幼児教育とクリエイティブについての小話です。 「モンテッソーリーってどう思う?」と、子育て中の友人から度々質問されます。 私は、モンテッソーリについて日本語で書かれてい本は一通り読みました。 (モンテッソーリとは、イタリアのローマで医師として精神病院で働いていたマリア・モンテッソーリによって考案された教育法です。モンテッソーリ教育法においては、子どもたちは生まれながらにして知ることを強く求めているというもので、自発的に学び始める力を持っているとしています。) モン

          色彩感覚も子どもの頃に鍛えた方が良いらしい。小児精神科医が考える子育てのヒント。

          多様性は相手の文化を学ぶということ。小児精神科医が考える子育てのヒント。

          多様性は相手の文化を学ぶということ多様性の感覚は一晩で身に付くものではないと思います。 友達や患者さんについて、「文化」が知らないせいでよく理解ができていないなって思ったら、そのことについての映像だったり書籍だったりを見るようにはしています。 LGBTについて知りたかったら、海外のドラマを見ます。 ある宗教について知りたかったら、本を読みます。 趣味のサークルで悩んでいる人がいたら、その趣味ってどんなものなのか漫画を読みます。 自分が当たり前だと思っていることが、もし

          多様性は相手の文化を学ぶということ。小児精神科医が考える子育てのヒント。

          「医療」と「テクノロジー✖️クリエイティブ」の架け橋になりたい。精神科医の私がデジタル治療を開発する理由。

          私は、医療とテクノロジー✖️クリエイティブの架け橋になるような存在になりたいと考えています。小学生の頃から私は、「派手なグループ」と「静かなグループ」の橋渡し的な存在でした。 精神科医になってからも気がつくと、「研究」と「(患者さんを診る)臨床」の架け橋であったり、「精神科医」と「心理職」の架け橋をしていました。 両方の立場から見て、どうしたらwin winの関係を作れるのか考えるのが好きなんだと思います。また「えいっ!」って他の領域にも臆せず飛び込んでしまうところもあり

          「医療」と「テクノロジー✖️クリエイティブ」の架け橋になりたい。精神科医の私がデジタル治療を開発する理由。

          オンラインのカリスマ先生✖️モチベーションを上げてくれるリアルな先生がいれば最強。小児精神科医が考える子育てのヒント。

          カリスマの教えるのが上手な先生(オンライン)と、モチベーションを高めてくれる先生(リアル)がいれば最強です。子どもたちはのオンライン教育でわかってきたことは、 カリスマの教えるのが上手いオンライン上の先生と モチベーションを高め寄り添ってくれるリアルの先生がいれば最強だということです。 現在、仕事で作っているVRも わかりやすく教えてくれるVRの先生と共感してくれてモチベーションを高めてくれるリアルの先生をイメージして作るのが良いのではと思っています。 子どもたちの周り

          オンラインのカリスマ先生✖️モチベーションを上げてくれるリアルな先生がいれば最強。小児精神科医が考える子育てのヒント。

          自分に余裕がないことはどうしたら分かる?精神科医の考える生きるのが少し楽になる方法。

          「自分に余裕がない」ことはどうしたら分かるようになりますか?と聞かれることがあります。認知行動療法としては、セルフモニタリングが大切ですというのが答えになりますが、 簡単に確認できる方法を一つお伝えします。 「数字をランダムに言ってみて」と言われて、ランダムに言うことができたら余裕あるということです。もしも本人はランダムに言っているつもりなのに、順番になっていたら余裕ないということなのです。 ランダムに言える、つまり、「遊びがある」状態は余裕があると言えます。 ランダ

          自分に余裕がないことはどうしたら分かる?精神科医の考える生きるのが少し楽になる方法。

          優しい社会をつくりたい。精神科医の私がデジタル治療を開発する理由。

          「優しい社会をつくりたい どうして「私」がデジタル治療を開発しているのか」についてお話します。「優しい社会をつくりたい」と考えると、なんだか泣けてきます。これは私がずっと願ってきたことなのです。 子どもの頃から感受性の強すぎる私にとって、社会は「そんなに優しくない」ところでした。「社会ってそんなに優しくないな」「自分がみんなに優しくしていたら、自分自身が潰れてしまうな」と思う場所でした。 (精神科医になりたいと決めてからは、脇目も触れず「私は理系だ」「医者になりたいって決め

          優しい社会をつくりたい。精神科医の私がデジタル治療を開発する理由。

          可愛げがあれば大人も子どもも大丈夫。精神科医の考える生きるのが少し楽になる方法。

          今回のテーマは「可愛げ」。 児童精神科医同志や心理士や精神科ソーシャルワーカーなどと話すのは人は「可愛げがあれば大丈夫」ということ。 「可愛げ」ってどうしたらつくのだろう? 親に愛されるとつくのかな? 誰かに愛されるとつくのかな? 生物学的な特性よりも 「にたっ」と笑う笑顔、素直な心があれば誰でも「可愛げ」は作れる、そう思います。 【筆者の自己紹介】現在、2人の息子を育てながら都内で精神科医および精神療法に基づいた(非医療機器を含む)デジタル治療(DTx; Digit

          可愛げがあれば大人も子どもも大丈夫。精神科医の考える生きるのが少し楽になる方法。

          対人関係は「VR」で鍛える時代がきた。精神科医の私がデジタルツールを開発する理由。

          対人関係(ソーシャルスキルトレーニング)は「VR」で練習する時代がきたというお話です。対人関係のスキルを学ぶソーシャルスキルトレーニング(SST:Social Skill Training;)という方法があります。 対人関係の練習をする方法として、理論を学ぶだけでは不十分です。実際に対人場面を作り出したうえで、「役になりきって」、「何と言うか」「どのように言うか」ロールプレイを行って、やってみるといったものです。 ソーシャルスキルトレーニングは病院など医療や療育など教育や

          対人関係は「VR」で鍛える時代がきた。精神科医の私がデジタルツールを開発する理由。

          はじめまして。育児をしながら精神科医をしているあやママです。

          はじめまして。精神科医あやママです。 現在、2人の息子を育てながら都内で精神科医および精神療法に基づいた(非医療機器を含む)デジタル治療(DTx; Digital Therapeutics)の開発者として働いています。 専門分野は、認知行動療法、社会認知、小児精神医療、デジタル治療です。 子育てに悩むお母さん、お父さんなど人を育てる人の手助けをしたい、デジタル治療という手段で、全国で治療を必要としている人の助けになりたいと思い、noteを通じて発信活動をはじめることにし

          はじめまして。育児をしながら精神科医をしているあやママです。