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日常に溶け込む悲劇の記憶

 恐怖体験談や怖い話などを集めていると、心霊スポットとされてはいないが、どう考えてもやばいだろうという所がある。

 例えば、新潟市の中心部に金鉢山というところがある。
 ここは戊辰戦争の折に、新政府軍の拠点となる激戦の血であった。
 そこには戦死者の人骨が多く埋められ、半ばがまだ埋まっているという。
  現在は公園としてその上を子供たちが無邪気に遊んでいる。

 また、これも戊辰の折であるが、新潟県阿賀野市にある赤坂山などは、かなりの激戦地で、多くの犠牲があったという。
 この赤坂山、阿賀野川に面する部分が断崖となっており「ヌスットマクリ」なる名がついている。
 「盗人捲り」の意味らしく、その名の通り、盗人などの罪人を、この崖の上から突き落とした処刑場だったらしい。
 この話は現在では地元の者も知るものは少ない。

 このような場所は、人々は語ることすら恐れ、それゆえに風化し忘れられていったのではないかとも思える。

(ここまでで10分)

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