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偶然に訪れた場所

 伝説の地などを回っていると、思わぬ偶然に出会う時がある。
 峠の薬師様もそんな場所の一つだ。

 その日、私は別の目的があり、その辺りを散策していた。
 どこかで、道を間違えたのだろう。
 気が付くと山道を車で進んでいた。これは道を間違えたということに気づいたのだが、道幅が狭く後戻りが出来ない。
 このようなことはよくあることなので、ひとまず切り返しが出来る場所へと進んでいくと、山道が急に開け稜線を行く道となっていた。

 その山の上に、小さな庵があった。
 庵の中には石仏があり、かすれた文字の由来書きがあった。
 なんでも、親の病気を救いたい一心で、この薬師様にお願いしたところ、薬師様が薬の作り方を夢で教えてくれた、とかそんな内容だったと思う。
 伝説好きの私としては、とりあえず写真を撮って、その場を後にした。
 目的の場所へは、なんとかたどり着けた。
 ところが、家に帰って、その孝行薬師なる伝説を調べても見つからない。
 地図にも、そもそもそのような道はない。
 しかし、写真は残っている。
 あの薬師様は一体、何であったのろうか
(ここまでで10分)

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