禁じられた遊び
昭和の時代の遊びの中には、おそろしく暴力的な遊びがあった。
「おやじ」と呼ばれるものも、その一つだ。
ルールは、ジャンケンの派生形だ。軍艦じゃんけんとも呼ばれる。
最初に親決めのジャンケンがある。このジャンケンの際に「おやじ」とお互いに言いあうので、その名がついている。
ジャンケンに勝った方が親となり、2回手を繰り返し、3回目で次の手を出す。
たとえば、パーで勝ったなら、2回パーの手を出し、最後にグー、チョキ、パーのいずれかを出す。
相手の方は2回は同じ手のパーを出し、最後は相手と重ならないような手を出す。
相手がチョキなら、チョキを出したら負け、チョキ以外なら勝ちで、親が交代となる。
特殊なのは、呼び方で、”グー”なら”げんこつ”、”チョキ”なら”シッぺ”、”パー”なら”ビンタ”と言うこと。
先の例で言えば、親が”ビンタ、ビンタ、シッペ”と言って子の方がチョキなら”シッぺ”で負けなので、勝った方は相手にシッぺを出来る。
もちろんビンタで平手打ちや”ゲンコツ”で頭に拳を振り下ろすこともある。
子供とは言え、本気でやれば痛い。
かくして、頬にビンタのみみずばれが出来る者がいたりして、PTAで問題となり禁止になった。
今、考えると、何が面白いのか分からず、ただただバイオレンスな遊びであった。娯楽に飢えていたのだろう。
(ここまでで10分)
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