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教えることの難しさ

こんにちは。shioriです

先日、題名のように感じる出来事がありました。

私は循環器内科医と言っても、まだ臨床助手の立場なので、研修医の先生に患者さんの病態や手技を教えることが多いです。

その手技の中に中心静脈カテーテル挿入があります。
医療の世界だと上司からよくCV入れといてーって言われるやつですね笑
要するに首の静脈(内頸静脈)に点滴を入れるという行為になります。

この前緊急入院してきた心不全の患者さんに対して、CVを入れといた方がいいなーと思ったので、循環器を回ってる研修医にお願いしました。

その先生はまだ1年目ですが、循環器内科志望らしく手技に対してもやる気があったので、近くで見てるからやってみて!と準備してもらいました。

まずエコーで血管を確認して、消毒をして、局所麻酔をしてもらいました。

そこまでは特に問題なかったのですが、、
いざ針を血管めがけて進めようとトライした時、んん?と先生の様子がおかしいのに気づきました。

まず、針の先がエコーで見えるようにしないと、今どこに針があるのかわからなくなりますよね。
見えてないから、先生も不安になってエコーを持ってる手を動かしてしまう。
そうすると、血管自体の位置がエコーを見た時に画面の真ん中からずれてしまって余計探しにくくなる。
そこまで何も言わずに見ていましたが、修正しようとしなかったので、
エコーを持っている手は動かさないこと。針を刺すときは患者さんの首を見ないでエコーを見ながら刺すことを教えました。

何回かトライして、針が血管に入り、血流を確認できました。
じゃあ血管の中にワイヤーを入れようか!と指示をしましたが、なぜかワイヤーが進まないと言うので、
先生の手元を見ると外筒が患者さんの首に対して立ち過ぎているのがわかりました。少し外筒を首に添わせて寝かせて入れてごらんと伝えると、スルスルとワイヤーが入っていくのを確認できました。

そうしてなんとかCVを入れることに成功。
できたじゃん!と先生にお礼を言いましたが、時間かかってすみません、と少し落ち込んでいました。

手技が上手くできないと、なんで上手くできないんだって落ち込んでしまいますよね。
実は私は左利きで、医療機器含め世の中のものは右利き用に出来てますから研修医の頃は手技ができるようになるまで本当に苦戦しました。

でも、失敗することは物事を正しく理解し、修正するチャンスなので全く悪いことではないと思います。
何回も同じことで失敗するのは問題ですが、、

今回うまく出来なかった理由として、
①解剖を正しく暗記しているか
②針を進めるときはエコーを動かさない
③血管の位置がエコーを見た時に、皮膚から何センチ離れた位置にあるか。それによって当然だがどれくらい針を進めないといけないか把握する
④どれくらいの角度で針を進めるか

などなど、、色々原因があるかなと思います。

でもそれを口で説明しても、なかなか頭で理解するのって難しいですねー

できるようになるためには、場数を踏むのもとても大切なのですが、実際何回も針を刺したりするのは患者さんにも痛みが伴います。
また、気胸や動脈穿刺など合併症も起こりうりますよね。

だから事前に本でも勉強することが大事だと思います!

手技については、私はこの2冊を読んで勉強したので、参考になれば嬉しいです。

この2冊はイラストが豊富で理解しやすく、覚えやすかったです🙆‍♀️
手技が見えるは解剖についてもしっかり書いてあります。

私も本から沢山知識を吸収して、より上手く、早く患者さんの治療ができるようになるといいなと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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