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(医師向け)自身の能力や評価と「病院」というブランドをはき違えるな。


今回は先日ムカッとしたエピソードに対し
怒りに任せて筆を取ることにします(^^;)

ある日のエピソード

フリーランスとしていろんな病院に勤務するとなると、
必然的に中小規模の病院やクリニックに勤めることが多いです。
なので、
患者さんの疾患や治療によっては
しばしば大きな病院に紹介する必要が出てきます。

ただ昨今
コロナウィルスの蔓延の影響もあって
大病院の受診には予約必須というのは当然で、
○ヶ月待ちと回答されてしまうこともざらにあります。

先日、地域の小さな病院で外来業務をしていると
とある専門疾患を疑う患者さんが訪れました。
幸い症状はまだ軽微でしたので、急いで紹介する必要は
なかったのですが、

"大きな病院に何ヶ月も待って
受診するのもなぁ。。。
近くにはないし、
患者さんも大変だって言っているもんなぁ"

と思っていたところ、

その専門科の先生の外勤先が近くにあったので、
まずはそちらで見立てを立ててもらうのが
検査の重複もないし、無駄がないだろう
と思い
そちらに紹介してみようということになりました。

その後、、、
患者さんとともに返書が届きました。
文面をみて僕はとてもとてもがっかりしました。

そこには
「〇〇さんは〇〇や△△のような検査を受けていないのに
紹介してくるとは何事か!」
「もっときちんと時系列で病状を把握してから送って来いよ」

「まずは〇〇病院のような基幹病院に紹介するだろ普通」
的なことが書いてあったのです。

大病院に勤務している医師ほど場末の現状を理解できていない傾向がある

僕がなぜがっかりしたか。。。
わかりますか?

それは、
外勤先にもかかわらず、
大病院の外来でできるのと
同様のクオリティの検査

要求を
小規模病院に押し付けてくる

その神経に
過去の自分をみているようだったからです。

そもそもそれができていれば、
その先生の外勤先に紹介なんてしないのに。。。

でも、がっかりした理由はもうひとつありました。

それは、
かつて大病院に常勤として勤めていた僕も
同じような事を日々考えていたということに
気づいたからです。
(さすがにもっとオブラートに包んでいましたが😅)

”なんでこの検査もせずに紹介状を送ってくるのか?”

”ちょっとした事なのに
わざわざなんですぐに遠方から
こっちに患者さんを紹介してくるのか?”

”こっちは外来以外にも色々と忙しいのだ。
検査くらいそっちでやってくれよ”

”なんでこんな基本的な治療をやってくれないんだ。
やってくれてうまくいかなきゃ紹介してくれればいいのに”

そんなことをしょっちゅう考えていました。

それは
場末の病院の検査スペックや診療体制を
全然把握していなかったからだ

今ではとても反省しています。

小病院やクリニックの実情

場末の小病院のクリニックには様々な人が訪れます。
流行っているところほどその受診数は多く、
半日で50人くるところもあります。

多くの患者さんはかかりつけで
生活習慣病の治療のために訪れたり
大病院からの依頼で継続処方のためにきますが、
当然外来にくる患者さんの予習なんてできません。

そんな中、
自身の専門分野でないが
専門的な知識や経験を要する疾患を疑う患者が来たとき、
十分な問診や身体診察をする

時間的猶予はありません。
ゲートキーパーとしての最低限の情報を得たところで
どの程度の規模の病院にどの科に紹介するのが最も適切か
を考えるだけでいっぱいいっぱいです。

簡単な検査はできますが、
そもそも場末の病院でできる検査なんて限られていますし
検査機械も古いことも多い。

こちらで行われた検査は信憑性を疑われ、
結局紹介先の病院で一から再検査されていた

なんてことはザラにあります。

また、血液検査などでは外注検査のものも多く
それを待っていれば
相当にタイムロスもあるわけです。

そういったことって
大病院でしか勤務したことがない
医師にはわかることではないでしょう。

まぁそれは理解できます。

ただ僕はこの先生の外勤先である
中小規模の病院に紹介したわけです。

そこで必要な検査をして
自身のホームである大病院に
自分で紹介することだって
簡単にできるはず
です。
(実際僕はそうしています)

でもその先生は
患者さんにあれやこれや文句を言って
僕に紹介状を送りつけて
結局何もしてくれませんでした。

外勤先は大病院の延長線ではない

きっとその先生は
大病院の延長線上に
その外勤先の病院
があって、
出張所くらいの感覚なのでしょう。

当然
受診のハードルも大病院並に設定している
かかりつけの病院としては対応していない
思われます。

また
そういった先生の多くは
病院同士のパワーバランスで
派遣されて
来ていることが多く、
"割りのいいバイト"ということで
渋々来ているという実情もあるでしょう。

当然やる気もないため、
常に"対応できない理由"を探しがち。

ただ
そんなことは
派遣先の病院や
患者さんには関係ないはず
です。

その場所に応じた振る舞いができない
=適応能力の低い

ということは集客収益にもつながらず、
その医師に対する
病院や患者の評価は
かなり下がっているはずです。

自身の商品価値とブランド価値の違いをきちんと見極めよう

そういった医師が
大きな病院にいるうちは
大病院という"ブランド"
その医師の価値を補ってくれていますが、

そこから出ていこうとした瞬間、
総スカンを喰らう
のは目に見えています。

実際、僕がフリーランスとして採用面接を受ける際には
勤めていた経歴などは当然しっかりチェックされますが、
周囲の医師からの評判、医局からのうわさ
などもチェックされている
節がありました。

医師の世界はとーっても狭いので💦
良くも悪くも評判はついて回ります

まぁそういう視点がない時点で、
そういう振る舞いを普段している医師は
大病院を離れることはないのかもしれませんが
😅
(通常の認知能力があれば逆に怖くて離れられないはず)

大病院でまずまずの役職をもらった先生
定年を迎えたあと
再雇用先として
なかなか条件の良い病院が見つからず
途方に暮れている

のも実際に見たことがあります。

その先生は
昔ながらのパワハラ上等で
患者さんを叱りつけることでも有名
でした。
当然部下からの信頼も厚いとは言えず。。。

いままで診てきた患者さんもついてこず、
ブランド病院の役職医師である
その先生の集客能力を見込んで採用した
やっと見つけた再雇用先の病院は
どのような判断を下すのか。。。

因果応報というやつですかね💦

これを見ている医師の方には
ぜひともそう言った視点で
自身の普段の振る舞いをチェックしてほしいですし
僕自身も肝に銘じようと思った出来事でした。

それではまた。

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