プロ講師を有効に活用するには?Part4期待値が高過ぎると・・・

 確かに、体験授業でお断りされた経験はありません。「勉強、しなければいけないのは判っているけど、母親がヒステリックでうんざり・・・」という生徒様が私の授業後、人が変わったように、突然ヤル気を出してくれれば、喜ばないご家庭がある訳がありません。

 体験授業では、私はカウンセリングで伺った内容を記憶に留めつつ、いかにすれば「学習って解ると楽しい!」かの体感に全力を尽くします。で、私が「〇って知ってる?」と聴くと、小さい声で「聴いたことがある・・」と返答。要するに、沢山塾で聞いたことがあるけど、その内容を答える程には理解していない、というケースが殆どです。

 要は、頭の中に知識・色々な用語が独立に存在するだけで、体系化されていない。ジグソーパズルの破片のように各々が繋がっていないことを意識して解説すると「ああっ!そういうことかぁ」と初めて笑顔を見せてくれ、そこですかさず「できるじゃい!」と言うと、そこからは楽しいコミュニケーションの始まり。「ね、解ると楽しいでしょ?今までこんな風に教えて貰ってなかったんでしょ?」「はい!」笑顔がこんなに可愛いんだと思いながら、この瞬間が私の自己実現なのです。

 これが続くのが理想です。ご家庭が私に心酔頂き「良好な関係」が続けば、共有したゴールに向けてその生徒様のためだけのカリキュラムで、順調に進みます。しかし、これまでの反動もあって、ご家庭では「美子先生なら、もっと!」という過剰な期待値が時系列で更に膨れ上がり、例えば「次の定期試験対策をお願いします!」と。

 だから、まだ難解な学校の定期試験のレベルには、もう少しお時間が欲しい、と言ったのに。優秀な周囲の生徒が既に上位の試験対策をしている中、いきなり赤点が満点になる訳がない。その際、ご家庭では「家庭学習」を見守って欲しい、と申し上げた頃の私の言葉は、遠くに消え去っています。

 過剰な期待値が生むものは、失望があり得る。私がどんなにプロとして授業をしても、ご家庭で「課題」をしない生徒様の「定着」は望めません。プロ家庭教師を頼んだから、後はお任せ!で成績が上がるなら誰も苦労しません。週7日×24時間のうちの2時間で、即効果が出るでしょうか?

 授業前に課題を送って下さるご家庭とは、生徒様は想像以上のパフォーマンスで、こちらもご家庭もhappyで良好な関係は長期間続きます!

 もちろん期待されるのは大変嬉しいですが、ご家庭が「お任せ」では、限界があります。誤解のないように!




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