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198DAY -高校生沖縄紀行 ②-

 沖縄二日目。ビジネスホテルでの朝食は思いのほか美味しかった。サラダとスープがいくらでもお代わりできて、ドリンクも飲み放題である。今日も充実した1日にすべく、9時過ぎにはホテルを出る。二日目からは別のホテルに泊まる。ビジネスホテルから大分距離があるため、レンタカーを借りる。レンタカーはワンボックスで、五人と三泊分の荷物を乗せてもなお広々としていた。



 車窓からは、街路樹のヤシと、予報とは変わって晴れきった青空が見えた。ヤシの木や周囲の建物の雰囲気も相まって、とても日本にいるとは思えない感覚を味わった。そして時折車道を通る米軍用車が、沖縄の現状を垣間見させる。ホテルに行く前に時間があるため、沖縄の世界遺産、「中城城」を見に行く。

 「中城城(なかぐすくじょう)」は、沖縄の島がまだ群雄割拠の戦国時代だった14世紀ごろに建てられた沖縄の城(グスク)の一つである。数あるグスクの中でもこの中城城は比較的良好な状態で石垣が残っており、沖縄における多くの文化財が消滅した太平洋戦争を経てもなお被害が少なかった稀有なグスクとして知られている。また日本に開国を迫ったマシュー・ペリー提督が、1853年に沖縄本島に訪れた際にこのグスクを視察しており、石垣を含めた建築土木技術の水準に驚愕し、中城城に関する詳細な報告文を記すなど、世界的にも高い評価を受けている。そして西暦2000年には、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界文化遺産に登録された。

 ここは自分が、沖縄に来たらぜひとも見たいと思っていたスポットである。歴史好きな自分にとって貴重な機会だった。中城城がある丘にカートで移動すると、いきなり大量の石垣が現れた。豆腐のように滑らかに切り取られた石は、まるでパズルのようにすっぽりと石垣に収まっている。こんな建築を600年以上も前に行っていたなど信じられないほどに、石垣は異様な佇まいを見せている。そして所々に生える草が、時代の移り行きを暗示する。城内を歩き進めると、石で作られたアーチ状の門が現れた。最早コンクリートで作られたのかと勘違いする。本当に石を切り出し、組み合わせて作ってあるとは思えない。本丸にたどり着くと、なめらかな曲線を描く石垣から広大な太平洋が一望できた。


指が写っているスマン。


 中城城を堪能し、本命のホテルを目ざす。我々が宿泊するホテルは、部屋の眼前に海を観る絶景リゾート地だ。何年ぶりかわからない海に、我々心を踊らせる。チェックインを終わらせ、部屋に荷物をおき、早速海に行く。海は綺麗だった。青空とのコントラストも面白い。何より30°超えの今日にとって言うまでもなく涼しく、快適だった。


 今、海で疲れた体を叩き起こし、これを書く。

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