【不純空想科学・BL小説】虹の制空権 第二部 1章 朝日のあたらない部屋
~半獣人×人造人間BL•SF小説~
翠玉荘の2階、階段を上がって左側すぐに203号室がある。
他の部屋と同じく、緑のペンキでまだらに塗られた扉だ。
扉だけ見れば、普通のアパートの一室に見える。
では、その銀色の球状のドアノブをまわし、扉をあけてのぞいてみよう。
そこに生活感は、一切ない。
右手の小さな流しのある場所には、工具の箱が積み上げられ、切り立った絶壁となっている。
流しの反対側の壁にはこれまた箱がびっしりと積み上げられている。
その奥の本来なら居住する場所は四方を棚