小田 竜世

小田 竜世

最近の記事

劇場と言う空間の中の熱海殺人事件

基本的に、映画にしても舞台にしても、その作品の時間軸がある。 視聴者、観客はその時間軸の中に入り、没頭し人生とは違う景色を見る。 カルチャーは変わる。 台の上にあったテレビは、もはや、手の中のスマホにある。 見上げていた画面は、見下ろす画面になっている。 この行動、感覚で、価値観は変わって行く。 つか作品と言うものは、現在で言う所のハラスメント発言が多い作品である。現在の若者の中では、嫌悪感を抱く人も多いと思う。 ある程度の年齢の演出家でないと、その強い言葉の裏に流れる

    • 熱海殺人事件  水野さんの話

      熱海殺人事件~モンテカルロ・イリュージョン~ 凄い作品である。 木村伝兵衛が、元オリンピック選手で、同性愛者と言う設定。 もはや、ファンタジーである。 割と基本がドラマ脳なので、つか作品の物語の進行には驚かされてしまうのです。 ああ、舞台なんだなあと感じるのが、どう読んでも 質が高いのが、山口アイ子のラストの独白です。 その後にも伝兵衛の独白があるのですが、シナリオ的にも 設定的にも感情移入しにくいのです。 ある種の劇中劇の、中味の方の劇の方が、伝わりやすいのです。 それを

      • 熱海殺人事件の夜

        熱海殺人事件…いわずもがな、名作である。 演出などと言うのも、おこがましいが そこで下手な謙遜は、余計に失礼になるので あえて覚悟を持って、演出をしていると言います。 今回は、今まで私の作品を見て頂いた、お客様や関係者は 違和感を感じていると思います。 なにせ、全員始めましての俳優さん達なので。 なんの繋がりで?と、思う人も多いんじゃないかなあ? まあ、それはそれで。 今回の出演者は、もちろん演技も出来るのですが 基本、アクションやダンス、歌、アイドルが本業の方々です。

        • 棄民の島

          戦争作品を描き始めて、もうかれこれ5~6年。 芝居や脚本なんか知らない15歳の時に、従軍慰安婦のことを知りました。 多感な時期であったので、心が掻きむしられて、締め付けられたことを覚えています。 その根本が脈打ってたのかも知れません。 人間の死や痛みを描くには、人生を生き抜いて、痛みも喜びも知ってからでないと、何か人間の尊厳に対して、失礼ではないかと感じていました。 50も過ぎて、人生の終着地点の方が近くなった時に ようやく向き合い、伝え、問い続けることを始めました 今回は

        劇場と言う空間の中の熱海殺人事件

          2023年思うこと

          夢の形は変わって行きます。 人生は一回と言うのは本当で、この年齢になると痛感します。 後、数本は演出はやると思うのですが そこそこ舞台演出業務は手を引こうと思っています。 書くと言うことに専念する時間を増やしたい。 自分が推せる俳優部に時間を使いたい。 一通りのことは、芸能の世界でやらせて頂きました。 座長、取締役、俳優部、講師、映像編集、舞台監督 後はまあ、簡単な照明部、音響部の手伝い・・・ メイクさんと衣装さんだけは、やってないかな。 もっと大きな勝負がしたい。 世

          2023年思うこと

          熱海の奇跡

          熱海殺人事件~モンテカルロ・イリュージョン~ゲネプロ いや、凄かった。俳優部、照明部、音響部… 紡がれていた。ゲネで泣いたのは?ほぼ初めてかな? 遠藤裕司と言う同じ年齢の生き様で泣いたわけでは無い。 そんなもんは十分に分かってるし、覚悟も知っていた。 だから、覚悟では無く、自分の俳優の力で戦ってほしかった。 センチメンタリズムでドラマを作る気はない。 そんなもんは、思い出作りだからだ。 彼は、覚悟を決めて【熱海殺人事件】に挑んだ。 演出の声をかけられらた時に決めていた。

          昭和に生きた男

          うたた寝をしていた。 パソコンからは、ラフマニノフが流れている。 木村伝兵衛を演じる戦友は、ちゃんと寝れているだろうか? まあ、いい。大概大人だから、自分で何とかするだろう。 私の中で芝居は仕事です。 収入の効率は、まだまだ悪いですが、そこはまあ 他者と比べても仕方ないことなので、自分のペースでやっています。 今回の熱海殺人事件は、なんと言うか仕事であり、仕事では無い。 一言で言うならば、ある男の生き様です。 普通の芝居では無く生き様です。 私は芝居をやってるクセに、そ

          昭和に生きた男

          やはり凄いわ

          無人島のディーバ…トレンド… いや、凄いわ パク・ウンビンの演技力表現力が、えげつない。 歌も踊りも、ちらちら入るのだが、そのスキルもえげつない。 シナリオも、映像も凄い 撮影大変だったんだろうなあ。 こういうドラマが評価されるのは嬉しい 人間本来の、{あきらめない心}{優しさ}みたいなものが きちんとドラマに求められているんだと確認できる 日本は、やはりアニメ大国で、世界と勝負出来るのは ゴジラ・ピカチュウ・マリオ等になってしまう。 それだって凄いことで、心底リスペクト

          やはり凄いわ

          とりとめない最近のこと

          だらだらと、長い駄文になります。暇な人が読んで頂ければ… スケジュールを調整したら、11月は1日しか開いてる日が無かった。 いいことか、悪い事か…アウトプットばかりで、インプット出来る時間が少なすぎる。でも時間のある限りドラマを見て、記事を読む。 新選組を描いた。自分の中で、新選組と特攻隊のシナリオは 書かないと決めていたのだが・・・ 案件なので引き受けた。時代に翻弄されて、命を落とす… 私は{死}を描くの嫌いです。若いうちは、なんかドラマチックに感じる かも知れませんが、

          とりとめない最近のこと

          音楽や映像と違って、本は偶然に出会うものではない。 街を歩けば、音楽も流れているし、映像も流れている。 活字はもちろん、溢れているが、本のページが広がっているわけではない。 縁があって、人は本を手に取り、自分の意志で、自分の時間で ページを広げる。 人生の時間を使って、ページを広げる。 スマホ全盛の受動的な情報の時代に、もの凄いことだと思う。 だから、シナリオを描くときは自分のことは、一切考えたことが無い。 俺の文字を読んでくれた方のリアクションだけを想像して書いている。 好

          幕末

          ここ数カ月、ひたすら幕末と向き合った。自分の中では、描くことは無いと思っていた時代なので、あまりにも知識不足だったからだ。京都、日野と 取材に行ける所には行った。文献をあさり、映像を見た。 無知は怖い… この幕末全てが、世界大戦へと繋がっていた。 幕末の戦の意味は違っていた。どの志士も、自分の思う祖国日本のために 戦っていた。近代日本の礎になった時代。 私の中で、新選組と、特攻隊は描かないと思っていた。 誰もが描き、悲劇の部分だけ強調される。作家としては やや反則を感じるの

          執筆の息抜き

          執筆の息抜きに文を書く。映画を見る。ドラマを見る。 舞台作品は、ほぼ見ない。観劇も極端に少なくなった。 歳を重ねたせいか、20~40代の方の作品のテーマが 自分の生活にピンとこなくなったからだ。 むしろ、学生演劇とか、格闘技とかの方が、涙をすることが多い。 あと、アニメか・・・ 昭和の舞台人とも、映像畑の人とも、随分語った。 色々と人生を歩んできたが、やはり私は「戦争と平和と人間と女性」を 描きたい。正直男性は、自分が男なので興味が無い。 16歳の時に何故か「従軍慰安婦」の

          執筆の息抜き