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【ゼロから始める中医学】食欲不振と湿の貯留〜脾の病証〜

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こんにちは!
HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉

今回は脾の病証についてみていきたいと思う。
前回の記事では脾胃はお互いに補完し協力し合っているという話をした。

病証においても脾胃の結びつきは強く多くの場合双方に影響が出てることが多い。
便宜上、脾と胃に分けてるが「どっちがメインか?」の違いだと私は思っている。
では早速みていこう!

1.食欲がない…脾気虚

脾の機能が減退した病証である。
主に運化機能の失調を中心とした脾の気虚症状が現れる。
多くの場合、胃の機能失調も伴ってくるため、脾胃虚弱とも言われる。
やっぱりどちらかだけが失調することは滅多になさそうである。

原因は飲食の不摂生、情志の失調、過労などが多い。
運化の失調で水榖の処理をすることができなくなるので食欲不振
水液をさばくこともできないので大便溏薄 だいべんとうはく(大便が希薄なこと)
さらに昇清ができなくなると中焦の気機が滞り腹脹が起こる。
脾気虚での腹脹は食後に起こることが多い。

ここで「じゃあ、食後以外の腹張は?」と疑問が出てくる。
食欲不振、大便溏薄がなく慢性的な腹脹は肝鬱気滞による可能性を考えた方がいいだろう。

他には気虚の症状(倦怠感、息切れ、自汗など)、運化の失調で気血が十分に化生できず顔面がやつれて血色が悪くなる面色萎黄、水さばきが悪くなるので舌に薄めの膩苔などが現れる。

主な症状に食欲不振、大便溏薄、食後の腹脹があり気虚の症状が伴うことが鑑別のポイントである。

2.お腹が冷える…脾陽虚

気の温煦作用が低下し陽虚になった病証である。
脾気虚や腎陽虚から波及する事が多く、脾を中心とした虚寒の症状が現れる。

腹部が冷え、寒の凝滞性により中焦の気機が滞り腹痛が、さらに水液が停滞し浮腫が起こってくる。
また運化が失調するので飲食物を消化吸収する事ができずに水様便や未消化便になる。

他には気虚から波及するので無力感食欲不振脈細無力
基本病態は陽虚なので顔面蒼白寒がりになる。
舌は舌質淡、または水液が貯留して舌質胖大に、脈は脈遅になりやすい。

あと忘れがちだが統血の失調が起こると出血も伴う事があるので注意しよう。
脈に留めておけなくなる虚証として起こるので勢いよく出血するというよりは漏れ出すような出血症状が起こってくる。

主な症状に腹部の冷え、水様便、未消化便があって気虚および陽虚の症状が伴っていることが鑑別のポイントである。

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