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【ゼロから始める中医学】呼吸を主る〜肺の生理〜前編


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こんにちは!
HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉

肺の働きといえば呼吸だろう、そこは中医学でも変わらない。
では、そんな息を吸ったり吐いたりする肺の働きを中医学ではどういう作用として捉えているのだろう?
さっそく見ていこう!

1.上へ外へ!下へ内へ!肺の生理作用

肺の生理作用は①宣発・粛降②主気である。

①宣発・粛降

宣発とは気や津液を上へ外へ輸布する機能で、宣布(広く行きわたらせる)、発散(外へ発し散らす)を意味する。

呼気によって体内の濁気を身体の外へ排出する働きと、津液や衛気を輸送し体表に到達させる働きがある。
一言で言うと体内にあるものを外へ表面へと出す働きになる。
他に鼻を通したり、衛気が発汗の調節を行う作用にも関与している。

宣発が失調するとうまく息を吐くことができず、咳嗽呼気不利が起こる。
また鼻閉発汗の異常なども出現する。

さらに宣発の失調や衛気の不足が起こると衛表不固 えひょうふこまたは衛外不固 えがいふこと呼ばれる状態になり、気や津液を固摂できず自汗易感冒が起こる。
衛気が外邪の侵襲を防いでいるため不足すると守りが弱くなりカゼを引きやすくなるということでる。

粛降とは気や津液を下へ内へ輸布する機能で、清粛(清らかで静かなこと)、下降を意味する。

気道を清潔に保ち、自然の清気を体内に取り込む働きと、気機を下降させる働きがある。
宣発とは逆に体外にあるものを内へ下へ取り込む働きになる。

粛降によって取り込まれた清気と脾で吸収された水榖の精微が合わさり宗気となる。
そのため粛降が失調すると宗気が化生されず息切れ喘息などが起こる。

また粛降の気機を下降させる働きは胃の降濁や大腸の伝導作用を補助してるため、失調すると咳嗽息を深く吸えない肺の症状と合わせて、便秘などの症状も出現することがある。
粛降は他の臓腑の下へ降ろす作用も補助してるのである。
深呼吸が便秘改善になるという話もあるが粛降の作用が関わっているからなのかも知れない。

粛降はさらに水分代謝にも関与しており脾によって送られてきた津液を全身にめぐらせ腎まで輸送してる。
以前、津液の解説の時にも話したのを覚えているだろうか?

この働きを通調水道つうちょうすいどう といい、肺は人体の上部で水分代謝を主ってるので水の上源ともいわれている。
失調すると浮腫、多痰、小便不利などが起こる。

また全ての血はいったん肺に集めてから全身をめぐって再び肺に戻ってくる。
そのため肺は百脈を朝ず ひゃくみゃくをちょうずとも言われてる。
失調すると胸悶血流障害が起こる。

① 宣発・粛降
【宣発】:気や津液を上へ外へ輸布する機能
【粛降】:気や津液を下へ内へ輸布する機能

②主気

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