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海の紅葉

秋。紅葉を見に行くならどこへ行くだろう?紅葉の名所といえば大抵は山の方だ。だが、九州にはなんと海で紅葉を楽しめる所がある。

それは、佐賀県の有明海沿岸にある、「干潟よか公園」から望める干潟だ。秋になると、この干潟に生えている塩生植物「シチメンソウ」が赤く色付くのだ。
塩生植物とは、その名の通り海水程度の塩分濃度でも育つ植物のことで、海岸や塩湖で確認出来る。通常の植物は、「塩害」という言葉もあるように、塩分濃度がある程度高いと枯れてしまう。塩生植物の一つであるマングローブの中には、塩分を一部の葉っぱに集中させて、その葉を枯らすことによって他の葉っぱを枯れさせないようにしている種類もあるぐらいだ。それぐらい、塩分というのは植物に害がある。

さて、塩生植物についての解説は置いておき、話を戻す。冒頭の写真は2020年のもので、2018年にその数がかなり激減していた「シチメンソウ」を、地元の方々がなんとか数を増やそうと努力し、当時はここまで数が戻ってきていた。ホームページを見る限りでは、昨年はもっと数が戻ってきているようだ。実は、見頃になると夜間はライトアップもされるのだが、帰りが遅くなりとても寒くなってしまうので、残念ながらその時間に見たことはない。

もし、この記事を見て初めてこの植物のことを知り、比較的近くに住んでいるという方には、是非シーズンである11月上旬に見に行ってもらいたい。埋め立てによって今では貴重になった干潟に、こんなにも不思議な植物が生えている。