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虫よ、時速20キロ以下で来い:弟子屈旅行記

さて、前回に引き続き夏の道東旅行…って何か月あけてるねん!!今年が終わるわ!!
部屋の寒さと、放置していた現状に震えが止まらないですが、書きます。最後まで!年内に!ヤー!

前回は帯広→釧路と進みました。
いよいよ弟子屈(てしかが)方面へ…阿寒湖・屈斜路湖・摩周湖を巡る!
※正確には阿寒湖はまだ釧路市でした…

真夏…特に道東エリアってけっこう虫がいるんやね。北海道って涼しくて虫少ないこの世の楽園なんやと思ってた。白いレンタカーがぶつかってくる虫たちで汚れまくってびっくり。
飛行機やら宿やらをとってしまったあとでヒグマとアブにかなり怯えが生じ、行く先々の自治体ホームページのヒグマ出没情報ページをブクマ。アブについては虫を電撃で殺傷するラケットを購入して備えたのだが、あえなく空港で没収されてしまった。とほほ。
しかし私が行った時は奇跡的に気温が下がり、アブは全く見かけなかった。ヒグマにも遭遇しなかったが、エゾシカとのヒヤリハットは報告したい。人生は安全第一。


阿寒湖エリア

阿寒湖アイヌコタン

阿寒湖の周辺には、実際にアイヌの方々が住んでいるコタン(村)がある。
まずはアイヌ料理をいただけるという民芸喫茶ポロンノでお昼ご飯。

鮭オハウ定食とクラフトビール「DOTO」

鮭のオハウという汁物の定食にする。具材による優しい旨味とわずかな塩気がご飯に合う~。ご飯はアマムという炊き込みご飯的なものだった。
ちゃっかり、帯広で飲んだクラフトビール「MAZUME」と同じブルワリーから発売されている「DOTO」を飲む🍻こちらもスッキリとして美味しい。
季節ものなのだろうか、黒板に書いてあった「ヒグマの肉とねまがりたけの煮物」も追加注文。甘めの味噌味。ジビエの中でも熊肉は好きなので、偶然食べられて嬉しかった。

なぜかクリオネに扮したモモンガと撮っていた

腹ごなしに阿寒湖周辺を散歩してから、アイヌシアターイコロという劇場で「ロストカムイ」を鑑賞。
幻想的なプロジェクションマッピング、ダンスパフォーマンス、アイヌ古式舞踊と盛り沢山な内容で大迫力だった。
アイヌ古式舞踊で女性たちが焚火を囲んで歌い踊っているシーンが幻想的で好きだったな。
「ロストカムイ」は、アイヌにとって特別なカムイ(神)だったエゾオオカミが、人間の勝手によって駆除され絶滅に追い込まれてしまうという歴史が主題だ。歴史や考え方をもっと知りたいな、知るべきだなと思ったよ。


後日「アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」」という本を購入した。
読み進めるなかで知った、アイヌ民族文化財団が公開している「オルシぺ スウォプ(話の箱)」というシリーズがとても良かった!
アイヌ民族に伝わる叙事詩をアイヌ語音声・日本語字幕で視聴できるよ。
特に好きだった話はこちら。絵もかわいらしく、ストーリーは幻想的なテイスト。静かな語り口もいい。よかったら見てみてね。


舞台を観た後は、お土産屋さんで伝統模様のバレッタや木彫りのコロポックルなどを買い込む。
これから屈斜路湖へ向かうというと、店のご主人がそろそろ霧がでてくると教えてくれたので急ぎ出発。
これから通る山道はエゾシカが多いゾーン。霧の中から出てこられたらと思うと気が気でない。

ご主人によると、鹿は時速20キロ以下のものは認識できないんだそう。
道の脇に鹿がいたら時速20キロで徐行しろと教えてくれた。

確かに、なんかわかる気がする~。
私も飛んでくる虫が認識できないから、顔に虫当たったりするもんね。
ゆっくりきてくれたら私も避けれるし、虫への恐怖心が小さくなるかも。
そうか、虫への恐怖って「認識できない」って要素もあるんだなあ。

”気付き”

また、鹿が下を向いて草を食べているときは大丈夫だが、下以外を向いている時は次の行動は予測不可能、急に飛び出すことがあるので要注意だとも教えてくれた。
有益な情報をありがとう!いそいそとアイヌコタンを後にする。
ほんまや、山道を走ってゆくとだんだん霧がでてきた…。

ヒヤリハット「エゾシカ」

霧の中、こわごわ進んでいく。曲がりくねった道の角度があまりわからない。反対車線に車がいるときはライトで道筋がわかるので助かった。
どうも運悪く私たちの車が一番先頭になってしまったらしい。後ろには車がいたのでまだ心強いものの、霧がピークの時はなかなかに怖かった。
やがて峠を越え、霧が晴れてくる。「は~無事に通れたね~」なんて車内が和やかなムードになった時、それは起こった。
助手席でぱっと窓の外をみた私。そこには真正面を向いているエゾシカの顔。一瞬目が合う。
「え!今、鹿が…」霧も消え、普通のスピードで走っているため運転中の夫は認識できなかったが、まあ何事もなくてよかったと笑い合う。

ただ、そのあと気付いてしまったんです。
後ろの車の左ウィンカーが割れて光らなくなっていることに。
霧の中でたしかに、両方のライトが光っているところを見たはずなのに…。
怖いなあ~~~怖いなあ~~~

屈斜路湖エリア

スパークリングワイン「テシカ」

山道を抜けると、そこは屈斜路湖だった。

雲が出ていたけどこれはこれで美しい夕暮れ

湖畔にある、ちょっと奮発して泊まった屈斜路プリンスホテル。朝食・夕食ビュッフェつき。そこまで量を食べられないのでビュッフェってあまり期待してないんだけど、ここで最高の出会いがあった。
それが、「テシカ」という弟子屈産のスパークリングワイン。
めちゃくちゃおいしくてたくさんおかわり。ドリンクコーナーのスタッフさん、すごくにこやかに話してくれて最高のおもてなし。
彼は超笑顔で「私、昨日お休みだったんですが1本あけちゃいました♪」と言っていた。すごいな。

しかしなんでなの?大好きなインターネットで良い感じの情報が見つからない。新聞購読しないと続きが読めない記事ばかり。
あまりに美味しいから地元の秘密にしてるん?
706本限定販売とあったから、奇跡的に飲めたんだろうなあ。ありがたい。願わくばまた飲みたい。

津別峠展望施設

夜と早朝、このホテルからバスで出発する星空ツアーと雲海ツアーにも参加していたのですが、生憎の天気で目的達成ならず…こればかりは仕方ないね。
でも北海道の山中にある津別峠展望施設で地形の説明なんか聞きながら飲む暖かいココアやコーヒーはなんだか特別な感じがして楽しかった。
いつかどこかで雲海見てみたいな~!

ちなみにこのツアーの方はアクティビティのプロだろうと思い、アブについて訊いてみた。
曰く、「虫よけは全く効かないと思ったほうがいいです。蚊と同じなんで、長袖などを着て防御し、あとは寄ってきたらタオルとかで追い払ってください。ただ、もし蜂が来た場合は刺激すると危険なので気を付けてくださいね」とのこと。そうなんだ…プロは違うぜ。
でもアブか蜂かってそんな一瞬で判断できるのかしら??時速20キロ以内で来てくれないと認識すらできないんだからね…。

アブは虫の中でも飛行速度が速く、記録されている最高速度では145㎞ととても速いです。

For your LIFE (フマキラー)

もし私と同じようにアブに怯えてこのnoteに辿り着いた方がいたら、私のように虫よけスプレーや虫電撃ラケットなどでお金を無駄にせず、服装に気を付けていってきてくださいね。あとは当日の天候次第のようです。グッドラック。

摩周湖エリア

摩周湖&カムイテラス

翌日、少し曇って霧もでていたが展望台から湖面を観測!

霧の摩周湖~~~!

湖の景色も楽しみだったが、調査段階で一番気になっていたのは摩周湖カムイテラスで食べられる「摩周ブルーソフト」!絶対食べると決めていた。
ブルー=ラムネ味と思いがちだけど、「ラムネ風味のミルクヨーグルト味」だそうで、身近で例えるならヨーグレットのような味だった。
チョコかな?ほろ苦なコーンがまた合う…。旅先ってソフトクリーム食べがちだけど、これは旅先効果なくてもめちゃくちゃ美味しかった。毎日食べたいっ。

ついでに目についた「摩周の大豆で作った珈琲(ノンカフェイン)」、「どういう意味?」と思い注文。100%大豆なんだけど、きなこのように香ばしくて珈琲とはまた異なるほっこりした美味しさ。そのままお土産コーナーに吸い込まれて豆を買ってしまった。血眼で通販調べたけどなかった。ふるさと納税の返礼品ならあった。
帰宅後、珈琲好きで妊娠中の友人に送ったり、カフェインが苦手な友達に振舞ったりしたら喜んでくれて嬉しかったな~。
カフェイン苦手な人もいるし、私も珈琲好きだけど1日2杯以上飲むとしんどくなったりするから、ノンカフェイン飲料も取り入れると楽しく気分転換できていいね。

摩周北創窯

前述の通り私はアブをかなり恐れていた。
というのも、夏の摩周湖について調べているうちに「車の窓一面にアブがびっしり張り付いてもはやホラー映画」「経験したことのないほど大量のアブが永遠に追ってくる」といった8月の口コミを見てしまったから…。アブって、なあに…?
そんな経験したら心が折れる。アブに阻まれ摩周湖に辿り着けなかった場合にも旅を続けるにはどうすべきか考える必要があった。
そこで見つけたのがろくろを使った陶芸体験
とくに摩周北創窯には、「摩周ブルー」という色合いがある。万一アブに取り囲まれて摩周湖を拝めなくてもこれで摩周湖を感じよう、という算段だ。

となりのトトロに出てきそうな、森の中の細い砂利道をガクガク徐行し辿り着いた三角屋根のおうち。(途中、道のわきになにかの実を抱えたリスがいてめっちゃ可愛かった。)
にこやかなご夫婦が迎え入れてくれて、まずはおうち入り口の作品コーナーで制作する形と色を決める。私は抹茶椀と小皿を作ることに。
そこから先生であるご主人と、離れのような制作小屋に移動。エプロンを付け、職人気分…★
最初は土の塊をろくろに置いてまわしながら、濡らした手で握ってなじませるという作業から。かなり固いと聞いたので思いっきり力をこめて握ったら、なんと「女性でここまで上手い方は初めてです!!上手いッ上手いッ。」と評判は上々。え~~?そ~ぉ?私って才能あるのかなあ~。
それからも事あるごとに「あ~、上手いなあ~。上手いなあ~。」と言ってくれるので「そんなあ。ありがとうございますう。」というと「お仕事ですから~。」と返される。あれ?やっぱり社交辞令なのぉ?

このやりとりに私はどこか既視感を覚えていたのだけど、陶芸体験後の雑談中に謎が解ける。
なんと先生、ずっと京都でサラリーマンされていて、働きながら陶芸を学び、退職後師匠のお許しを得て弟子屈で工房を開かれたとのこと。
そう。先生…京都民だったの~~~!
京都民の「上手いなあ~」を真に受けて照れ笑いする兵庫民、という構図だったわけですな。こんな懐かしいコミュニケーションがはるか弟子屈で実現するとは。僥倖です!

余談

このようにめちゃくちゃ楽しく教えていただき、思った通りの形を作らせてもらった。
夫が作った大皿はたぶん初心者が体験で作るには難しい形・大きさだったんじゃないかな?と感じたんだけど、叶えてくださったよ。
先生ありがとう~~。2時間アッという間だった。

👆ご夫婦のあたたかいお人柄が感じられるインタビュー。

もちろん霧摩周という、摩周湖をイメージした色で焼き上げてもらうよ。
完成が楽しみだ!

⚠記事を寝かせすぎたため、完成品を掲載できます!

お皿は摩周ブルー!一気にレストランの雰囲気になるお皿。
抹茶椀は霧摩周と呼ばれていた。グラデーションが素敵だ~。

以上、大満足の阿寒湖→屈斜路湖→摩周湖の旅行記でした。
さて、次回は北見の北きつね牧場に寄ったあと網走方面へ進みます。いよいよ旅も後半。
これも下書きけっこうできてるんよ。年内更新、するぞ~!オ~ッ!!


次回予告:12/15(金)21:00~海野十三「仲々死なぬ彼奴」

毎月している朗読配信、次回は…
12/15(金)21:00~ 海野十三「仲々死なぬ彼奴」を読みます。
推理小説味もありながらユーモアもあり、笑えるようで笑えない…そんな作品を選んでみました。
2023年ラスト、ぜひ華々しく。よろしくお願いします!

👆ここで毎月朗読してる📚ぜひ聴きに来てね🍻

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