お菓子作り
今日から3月。
今の仕事場でお世話になって4年が経とうとしている。早いものです。(お菓子屋さんで製造の仕事をしています)
私は中学生くらいの頃からお菓子作りが好きだった。
料理上手な叔母に時々プリンやクッキーなど作り方を教わり、休日もお菓子作りを楽しんでいた。
高校3年の頃、製菓学校に進むか迷った事もあったけど結局お菓子作りは趣味に留め、大学に進学した。
アルバイトでいくつか洋菓子販売の仕事に就き、今製造の仕事をしている。
販売の仕事をしていた頃は、「何でこの商品はこんなに高いのだろう?」と疑問に思っていたが作り手に回った今様々な工程を知り、手間暇かけて作られている事がわかり納得するようになった。
入りたての頃は製造補助として携わっていたのでお菓子作りはほぼやっておらず、お菓子の袋詰めがメインでした。
何か作るといってもクッキー生地を鉄板に並べて焼いたり仕上げの飾りを手伝ったりドリンクで使うソースなどを作るくらい。
目の前でパティシエさんが色々焼き菓子とかケーキを作っているのを見て羨ましいと思っていました。
後にパティシエさんがどんどん辞めていって誰かが後を引き継がなくてはいけなくなり、急遽教わることに。
一通り作り方を教わり、教えてもらった通りに作る。
別に味も悪くないし見た目もまぁまぁ。
それで満足していました。
「なんでこのタイミングで混ぜなきゃいけないのか」「なんで生地はこの温度でないといけないのか」など、特に疑問を持つ事なく淡々とこなしていました。(だってアルバイトだし、本業は役者だしとどこかで思っていたと思う)
実に勿体無いことをしていました。
あくまでも生活費を稼ぐ為の手段としてしか考えておらず、学ぼうという意欲はあまりなかった。(お菓子作りが好きだと言っている割にはですよね。笑)
でも、先輩達がどんどんいなくなって今度は自分が教える側に立った辺りから意識は徐々に変わりました。
今までは指示通りに動くだけ、自分の目の前の仕事をこなすだけだったのが周りを見て、次の作業の為の準備をいかに早くするかとか、材料を集める時の動線を考えたり、〇〇さんにはこれをしてもらうなどそれぞれの役割分担を瞬時に考えたりと視野を広げて色んな事を見て考えるようになりました。
厨房もあまり広くないため、どこで作業をするか、いかに効率良く動けるかが鍵になります。
元々仕切るタイプの人間ではないし、人に対する礼儀や言葉使いを気にするので最初の頃は気疲れも多くストレスだったと思う。
それも今ではすっかり慣れて、人に指示を出せるようになりました。
そして今まで教わった焼き菓子を再度見直し、「質の高いお菓子」を目指すようになりました。
一つの商品を一度に大量に作る為、スピードと正確さが求められます。
オーブンに入れる時も、その時のオーブンの状態によって火の入り方は変わるし、生地の状態によっても膨らみ方は変わる。
厨房の温度によっても仕上がりは左右されるし、毎回同じ物を作っていても毎回全く同じには作れない。だから難しいし楽しい。
経験がものを言う。
商品完成までの時間を考え、逆算し、スピーディーに正確にを意識しながら時間通りに綺麗に仕上がった時の達成感はとてつもなく嬉しい!!
色んな事に目を配るようになり、何となく作っていた物が今では我が子のように自分が作った商品に愛着が湧き、包装されてお客様の元へ送られるたび喜びを感じるようになった。
せっかく働くならその仕事に真摯に向き合って一生懸命取り組んだ方がお店にとっても自分にとってもプラスだし、何より楽しい。
毎日同じ作業の繰り返しだけど、必ずどこか発見があるし、学べる事はまだまだ沢山ある。
これからも美味しいお菓子が作れるよう精進します!
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