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お金を奪われる恐怖を味わって見えて来たもの その3


私がこのマンションに引っ越し、安心感に包まれ、しばらくは幸せな日々を過ごしていた。

そして私を悩ませることが起き始めたのだった。

先ず、ポストに沢山の元夫絡みの借金の返済通知が届くようになった。

それを見る度に心はざわつく、もう忘れたい、なのにいつまでも暗い思い出がつきまとうのだ。

そして、元夫が亡くなったことを、長男のLINEで知る、正直に言うと、私はとても安堵していた、冷たいかもしれないけど、元夫からはこれで完全に卒業した、と爽快な気持ちだった。

ところが、ある日の母からの電話で、元夫の前妻との間の息子さんから、実家の玄関に飾った絵の件で電話があったらしい。

この絵のことを簡単に説明すると、実家が2世帯住宅を建てる際に、元夫は工務店を紹介して少し関わっていた、両親や弟から感謝された元夫は、気をよくして、絵をプレゼントした。

この絵は中国の刺繍で描かれた貴重な作品で、元夫によると相当な価値が上がるはずらしい、そしてこの絵を手に入れる為に、支払ったお金は、私の独身の時の貯金から出しているので、全く元夫はお金を払っていないのである。

その電話で、私への非難の内容が語られ、母はとても不愉快な思いをしたそうだ。

元夫は、私を恨みながら亡くなったのか?そう思うと、怒りが出てくる、やっぱり元夫のことを許すなんて無理!!と思った。

私は母に「そんな電話は気にしなくていいよ、もう全部終わったことやから、知りませんって言って無視していいよ」と伝えた。

でもやはり心はざわつく、私は自分の大切なものを奪われる恐怖を感じて、このマンションから一歩でも出れば危険だと妄想するようになった。

大切なお金は、娘とワンコのこゆきと私が、幸せに安心して暮らせる為に使う、そんな理不尽な借金に盗られてたまるか!!と攻撃的な気持ちに支配されていた。

そんな時でも、月末の支払いは常にやって来る、私はどこか釈然としないまま、苦手な銀行への振り込みや、コンビニに支払いに行くことをやり遂げた、今月も無事に支払えた!と安堵する、この瞬間だけはとても幸せだった。

私は一応お金の入る窓口は用意している、宇宙銀行からの入金を今か今かと待っていた、一向に入って来ないで、出ていくお金に少しずつ不安が募ってきた。

そして一番私を悩ませたのが、最近起こった出来事なのだ。

私はWi-Fiを前の家でドコモ光と契約していた、正確には、勝手に元夫が契約してそれを使っていたという感じだ。

私はそういうものに疎く、興味がない為、説明されても頭に入って来ない、ただ家でスマホを使用するなら、Wi-Fiは絶対必要だと、子どもたちから教えてもらった。

強制退去して、実家でお世話になっている間に、ドコモ光に問い合わせをして、引っ越し先のマンションにWi-Fiを取り付けてもらう必要があった。

そこで、たまたま手元にあった、ドコモの書類から、ドコモ光専用ダイヤルに電話をしたのだった。

とても早口な男性のオペレーターに繋がり、その男性から、突然ドコモ光とは別のサービスを勧められた、私は全くわからない、おまけにその人の早口が聞き取れず、何回も聞き返すのも面倒で、そのサービスにすることを承諾してしまったのだ。

捲し立てるようなオペレーターの早口の説明に、気弱な私は負けてしまい、言われるがままドコモ光とは別のサービスでWi-Fiを取り付けてもらうことになった。

ここでその男性が、ドコモ光の解約について説明してくれれば、事態は変わっていたはずだ、しかし私は早口な男性の説明が全く聞き取れず、勝手にそのサービスは、ドコモ光関連だから、連携されていて、うまく機能するようになっているのだろう、と都合よく解釈してしまったのである。

この絶妙な食い違いにより、私はお金を奪われる恐怖を味わうことになった。

続きます。


幸せをありがとう♡


ここまで読んでくださって感謝します。



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