見出し画像

まずは人を!!心室頻拍(VT)


やばい不整脈の代表例、心室頻拍
救急外来やICU勤務でみたことがない方はいないでしょう。
恐ろしい不整脈の代表例ですね。

いままでの形式通り、どんな不整脈?診断方法は?ヤバい不整脈?対処は?
・・・としたいところですけど、

今回は省きます。

なぜ省くのか?説明が難しい or めんどくさい?

そうではないんです。理由は、

いうまでもなくヤバい不整脈だから。


そして、

迷うくらいなら人を呼ぶべきだから。


心室頻拍を勉強した方で、VTっぽい不整脈をみつけた際に「これはVT・・・?ここにP波っぽいものがあって・・・いやでもVTにしては遅い?R-Rも不整にみえるし・・・以前からこんな感じの心電図だっけ?」

こんなことをしていて中々連絡をせず、気づいたらショックになっていたことがあります。
勉強はとても大事。とても立派です。いまでは独り立ちして他を教育できる、素晴らしいナースです。

でも。VTを語る上で、絶対に忘れてはいけない心得は、

VTなのかVTっぽい不整脈なのか迷ったら、VTとして扱え


どの本を読んでもこれが書いていない。
本当にVTなのか?そんなことは後でいいんです。患者さんfirstです。
それで怒られたら、怒る人が悪い。

なぜこれを強調するか。いくつか理由があります。
一つ目は、

VTっぽくみえる不整脈、ないしモニターの場合は大体危険な状況にあることが多いから。

VTは言うまでもなし、VTっぽい不整脈の代表例は脚ブロック+上室性頻脈。要は、QRSが広い頻脈はVTっぽく見えるんですね。

そして、迷う時ってHR:150/分とかザラですよね。患者さんも辛い症状を訴えていることが多いんです。そんな時に、1人しかいない状況でモニターや心電図に張り付いている必要はない。

二つ目は、

VTなのかそうでないのかは、12誘導心電図をしっかりみないとわからないことが多いから。

その間はどうしても患者から目が離れます。
pulseless VTって言葉がありますね。要は「脈なしVT」です。
「脈なし」っていうくらいだから、「脈あり」があるわけです。
最初は「脈あり」でも、目を離した隙に「脈なし」になる可能性もあります。

気づいたら呼吸していない!CPA!

これ、最悪ですね。

だから、VTについて詳しく学ぶ前に!優先度を考えるくせをつけてほしいんです。前述した通り、知識は大事です。でも、医療では優先度が大事な場面が少なからずあります。
VTについて本を読む前に、私の記事に目を通して頂けたらありがたい。

切に思います。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?