往復書簡

かけだしデザイナー2人による日記です 火曜日にひものみたが、金曜日にsioがお題に沿っ…

往復書簡

かけだしデザイナー2人による日記です 火曜日にひものみたが、金曜日にsioがお題に沿って投稿します 楽しんでいただければ幸い

最近の記事

レイヤーのCM-theme:物語

久しぶりというレベルではないくらいですが、物語というテーマにむけて思ったことをつらつらと書きます 私ではないもう1人のほうはサザンオールスターズが好きなのですが、私も詳しくないなりにサザンや桑田佳祐のことが好きで、詳しくないなりに聞きます 元々親がサザン世代で、車で聞いていたというのもありますが、たまに曲名と曲が一致するとああこれか!と嬉しくなる、くらいの程度だと思ってください そんなサザンの曲のことをなぜ物語テーマに寄せて書いたのか というのも、そんなにわかサザン好きだ

    • ごぶさたな - theme : 物語

      小説を読まなくなって久しい。 まったく読まないというわけではないが、エッセイや人文系の本に手が伸びがちで、フィクションの作品はなんとなく気が進まない。 この間、面白い小説に出会った。 川上弘美の『大きな鳥にさらわれないよう』という本。 これといった理由はない。これは面白い気がするという勘を信じてみた。 本が家に届いた日の夜、少しだけ読んだ。 短編集のようなかたちで、さまざまな登場人物の視点から物語が語られる。読み進めていくうちに、ぐわりと世界の見え方が変化していくのが、

      • 夏とわたしとS theme : 麺

        S。私の夏の思い出。 いつも、Sのことを考えていた。 今年の夏はそばが食べたくて仕方なかった。なぜかはわからない。 そして、そばの中でもSが食べたかった。 Sを食べたことがない。これまで食べたいと思ったこともなかったのだが、今年の夏は暑すぎたからかずっとSが食べたかった。 毎日、うどん屋とそば屋の前を通るのだが、うどん屋の出汁の香りを嗅いだ後、そば屋でうまそうにそばを掻きこむサラリーマンたちを見るから余計に食べたくなっていたのかもしれない。そのそば屋の立て看板にSがないことも

        • ナイジェリアの乾麺-theme:麺類

          ロンドンの話 一つ目の滞在先には2週間いて、そのうちの1週間宿を共にしたナイジェリアガールがいた。私が共有スペースで飯をかっくらっていると彼女が来て、棚の中から大きめの段ボールを取り出し、その中にぎっちり詰まった乾麺の袋を取り出して、調理を始めた。 どうやらゆがいて麺の状態にしてから、味付けして炒めるらしい。乾麺の調理方法として、馴染みがなさすぎる。 完成した麺を向かいの席で美味しそうに啜る彼女。 私はといえば、今までブラックの人としっかり対面したことがなく、その強い眼差

        レイヤーのCM-theme:物語

          韓国の袋麺-theme:麺類

          9月、3週間ほどロンドンに滞在した。 ヨーロッパというのは物価が高く、さらにロンドンは異常に高い。そこに円安が追い打ちをかける。数年前まではポンド円の計算は、100をかけて少し盛ればこなせていたらしいが、今は200をかけて少し引いた方が早い。 要するに多くのものが、日本の倍くらいの値段で売られているのだ。 大きめの握り拳大のカフェのサンドイッチが3000円弱した時は叫びそうになった。まあ美味しかったし誘われて行ったものだったからいいのだがもう行かないと心に決めた。気軽な

          韓国の袋麺-theme:麺類

          こんにゃく麺-theme:麺類

          (9月分、ひとつも投稿できなかった いくつか書こうと思ってたものが頭にあったので出します) こんにゃく麺というものを先日初めて食べた 存在は知っていたけど美味しいと思えず手を出さなかった よくあるダイエット用の低カロリー食材 そういうのって大抵まずいじゃないですか。やはり糖質がうまいんだよな〜とかどうしても思ってしまう しかしお中元をもらいすぎたから貰ってくれと隣人が持ってきてくれた「こんにゃくセット」の中にそれはいたのだ。海藻が練り込まれているのか半透明の緑色をしてい

          こんにゃく麺-theme:麺類

          悩み -theme : 移動

          毎日電車に乗って移動をしているのだが、さいきん悩みがある。 ある日、昼間の特急列車の席に座っていると隣の人が指をポキポキ鳴らしているのが横目に入った。 気になる。指を鳴らしている人を見るとゾワッとするので苦手なのだ。 2度3度なら見逃すところだが、10本すべてを鳴らそうとしている。 ワーやめてくれーと言って、目を固く閉じて既にイヤホンをしている耳をさらに上から塞ぎたくなる。 電車に乗ると毎回、こういう軽微なストレスが溜まってしまう。 夜中の電車に乗り込んできた、酒で機

          悩み -theme : 移動

          バスで移動-theme;移動

          バスは、1番前の高い座席が空いていたらそこに必ず座る。そうすると大抵前がクリアのアクリルになっていて、前方がよく見える。それに、ほとんどの通行者より視線が高い。 左側に乗っていると、停留所に停まった時ちょっと下がる。昔はこれが、タイヤの空気を抜いたり入れたりすることによって行われていると思っていた。今しくみを知っているわけではないが、タイヤの空気を使っているわけではないことくらいは分かる。 川のへりを走る道をバスは進む。今日は台風が過ぎて穏やかに晴れている。昨日は隆々たる

          バスで移動-theme;移動

          衝動としての移動

          先日、隣町で開催されていた展覧会に行った。その周辺が昔住んでいたところだったので軽く散歩をしていた。歩いていると、不思議なもので、忘れていたその当時の記憶や感覚が思い出されるようだった。 自分でも不思議なのだが、衝動的に遠くに行ってしまうことがある。ということを思い出した。 たぶんその最初の記憶は、中学のときだ。 通っていた学習塾で数学をやっているときに大学生の講師に鼻で笑われて、すごく嫌な気持ちになった。 塾の終わりに、泣きべそをかきながらヤケになって帰り道とは反対の

          衝動としての移動

          遠いところに行く-theme:移動

          今までで一番長い移動は、アメリカに行った時のものだった。 高2の冬、学校の研修としてアメリカ・フロリダに行ける4人に選ばれた私は、出発する時この人たちと30食ほどを共にするのかと思い、妙な感慨に耽っていた。 日本、それも関西からフロリダへの直行便はなかったのか、やや面倒なルートを辿った。まずは新幹線で成田まで。そこからデルタ航空でJ・F・ケネディ国際空港まで。そこで乗り換え、パームビーチ空港まで。航空会社は覚えていない。 言わずもがな、成田からJFKまでの飛行時間がめちゃ

          遠いところに行く-theme:移動

          移動、近況、ナウシカ、など

          【移動】 ある日の帰り、電車で寝ていた。途中の駅で中年女性の集団が乗ってきた。それはもうご機嫌に歓談し、大爆笑しているので、すっかり起こされてしまった。もう結構遅い時間だぞ、真昼のカフェテリアじゃないんだから。迷惑だなあと思っていた。 ひとりのおばちゃんが突然、 「けどこうやって電車に乗るのもいいやんなあ。ほら普段わたしらは乗らへんけど、じーっと座ってさ、ぼーっと窓の景色みてさ、いいやんねえ」と言った。 そうやなあと思った。 【最近のよかった言葉】 お子さんが誕生した

          移動、近況、ナウシカ、など

          移動の副産物-theme:移動

          移動が好きだ。なんにせよ移動が好きだ。電車もバスも車も好きだし、船や飛行機ももちろん好きだ。長距離バスとかも、結構好き。自転車は好きだがひとつランクが落ちる。でもまあ好きだ。 移動が好きなのは、その間何もしないでいることを許されているような気になるからだと、思う。まあ、単純に遠くに行くのが好きとか、景色を眺めるのが好きとかは有るのだが、もっと違うところで移動を好んでいる自分がいることに気づき、考えた結果がそれだった。 私は元来ぼんやりしがちなタチで、何もなくても空を眺めたり

          移動の副産物-theme:移動

          喧騒と静寂-theme : 音

          所属している大学が移転する。今のキャンパスは郊外にあるので聞こえてくる音といえばこの時期蝉の声くらいだが、移転先の街中ではエンジン音やクラクション、電車が通り過ぎる音なんかの音で溢れるんだろう。現代的で、人為的で、ありふれている。 現キャンパスの最終入校日を来週に控えた今週、様々な専攻が春学期の授業を終了し、学生総出の引越し作業を進めている。自分の専攻は最終入校日の前々日が最終合評なのもあり、引っ越しは遅々として進まない。窓から見下ろすと引っ越し業者のトラックや、大荷物を運

          喧騒と静寂-theme : 音

          ユーミンと幻覚

          ユーミンの曲が好きだ。 私は、ユーミンの曲が大変に好きである。 言うまでもなく、ユーミンこと松任谷由実は旧姓の荒井由美の時代から現在にいたるまで数多くの楽曲を発表してきた。 メジャーな曲もそうじゃない曲も、まるで昔から知っているかのように体に馴染むメロディ。 それでいて不思議と時間が経っても古く感じない、何なら新鮮に感じるのが魅力である。 そして何よりも私が一番に「良いぜ、、、」と思うのは、音が絵画のようなところだ。 ユーミンの書く、みずみずしく素朴で共感を呼ぶ歌詞は言

          ユーミンと幻覚

          夏夜の番人-theme : 音

          ふくろうが鳴いている. 夜が更け始める頃から聞こえるホウホウという音が、私が言う「フクロウの声」である. 初めに認識した時はフクロウのものだとは信じ難かった.だってこんな民家の近くに、あの高尚で気高い鳥類が生きているとは思えなかったから.でもやはりフクロウのようで、気づいてからはよく聞く夏の風物詩になった. 不思議なことに夏の間しかフクロウの鳴き声は聞かない.季節によっていたりいなかったりするのだろうか.一年で寿命が尽きてしまう生き物には思えないから、どこかに移住して冬を過

          夏夜の番人-theme : 音

          ライブ

          先日、お笑い芸人の単独ライブに行ってきた。 その時に、その芸人のイラストがプリントされた、いわゆるグッズTシャツを着て行くことにした。 グッズTシャツって身につけることでこの人が好きです!と公言するようなものだから恥ずかしくて普段は外で着れないのだが、ライブなら着ても許されるんじゃないかと思った。だってみんなファンなわけだから。 これが間違いだった。 会場の最寄りの駅くらいまでは周りの視線はまあ気にならないのだが、会場に近づくにつれ、当たり前ですが同じライブに行く人ば