中島大貴(酪農家)

酪農家 三代目 牧場・チーズ工房NakashimaFarm / MILKBREW CO…

中島大貴(酪農家)

酪農家 三代目 牧場・チーズ工房NakashimaFarm / MILKBREW COFFEE / UPLIFT SHIMOJYUKU 代表 ミルクにまつわるプロダクトや文化、ニュウカルチャーを作ります。

最近の記事

僕らの理念とその変遷

ナカシマファーム、MILKBREW COFFEEの代表で酪農家の中島大貴です。 先日、年に一回の社内全スタッフが集まる NEW CULTURE MEETINGを行いました。 【NEW CULTURE/ニュウ カルチャー】 酪農をもって新しい選択肢、文化をつくる。 ニュウ カルチャーは牧場、チーズ、MILKBREW COFFEEと全体に通底する理念です。 これを語る上でナカシマファームの理念の歴史を辿ってみます。 30年前の1994年に父が法人化しナカシマファームと

    • ブラウンチーズクッキーに託した思い。

      BROWNCHEESE COOKIE ブラウンチーズクッキー 作ろうとしたのはクッキーではなく、 ブラウンチーズを常温で届けるカタチと 料理や製菓におけるブラウンチーズの可能性。 ありがたいことに、 お客さんの中に根強いファンの方も多く、 また料理人やお菓子関係者の方からも、びっくりした(いい意味で)と意見をいただくことが多く嬉しいです。 はばからずに言うとお客さんにはもちろん、ですが同業者やプロの方々に"おっ"と引っかかってもらうことは意識しています。 というのも、

      • 酪農家が15年間続けてきたマーケティングについて

        こんにちは。 佐賀嬉野で酪農家として牛を飼いながらミルクにまつわるプロダクトやカルチャーをつくっている中島大貴です。 22歳から酪農家になり15年がたちました。 みなさんのまわりに酪農家さんってあんまりいないと思うので僕なりの立場から、牧場づくりや、商品づくり、ブランディングなど話せたらいいかなと思っています。 さて、タイトルにあるように 22歳のときに家業の酪農に就農して以来、続けてきたマーケティングがあります。 (それってマーケティングなんだろうなと意識したのは後に

        • 女の子と約束のチョコソフト

          こんにちは。 佐賀嬉野で酪農家として牛を飼いながらミルクにまつわるプロダクトやカルチャーをつくっている中島大貴です。 最近は嬉野温泉駅前のUPLIFT/ MILKBREW COFFEE 2期立ち上げ(3/30予定)に向けてメニュー開発や商品選定、パートナーさんとの打ち合わせをすることが多いです。 女の子と約束のチョコソフト MILKBREW COFFEE嬉野温泉駅前の常連さんで、いつもミルクソフトを楽しんでくれている小学生くらいの女の子がいます。 とある日、僕がお店入

        僕らの理念とその変遷

          建築家から酪農家へ。

          こんにちは。 牛乳注ぐ男 あらため、 酪農家として牛たちと暮らしながら、ミルクにまつわるプロダクトやカルチャーをつくっている中島大貴といいます。 note2年ぶりに更新したので改めて自己紹介、 特になんで酪農家になろうと思ったのかについて掘り下げたいとおもいます。 まずは簡単な略歴を。 佐賀嬉野生まれ。 代々農家で酪農家としては三代目になります。 農業、酪農が嫌というわけではなかったですが、 ・地元から出たい。 ・家族と働くイメージがわかない。 ・建築家になりたい こ

          建築家から酪農家へ。

          2年ぶりのnote投稿

          前回noteに投稿したのが2022年1月2日なのでまる2年立ちました。 (よかったら2年前の最後の投稿みてください↓) この投稿から2年間の中では、 地元嬉野、100年ぶりの駅となる『嬉野温泉駅』の開業、そしてその駅前の開発にコンセプトワークから実際の営業まで携わらせていただいている『UPLIFT SHIMOJYUKU 』、 同場所にMILKBREW COFFEEの2店舗目となる『MILKBREW COFFEE嬉野温泉』 (※現在リニューアル工事中)これら2つが大きなトピッ

          一つの夢が叶うまでの年数

          1/1発売の建築の専門誌、"商店建築"さんに MILKBREW COFFEEの建築を取り上げていただきました! 設計と掲載のご縁をいただいたケース・リアル 二俣公一さんありがとうございます! 実は、 もともとは稼業の酪農を継ぐつもりはなく、 建築家になりたくて、地元の工業高校へ行き、 上京し、大学にて建築を学んでいました。 その時の一つの夢が 『新建築もしくは商店建築に載る』です。 夢というか、約束に近くて、 卒業時に後輩に宣言していました。 でもなんで佐賀で酪

          一つの夢が叶うまでの年数

          生産物と副産物、ごちゃまぜの世界

          酪農のメインの生産物は牛乳や肉だけど、 糞や尿、それらからできる堆肥も大事な生産物です。 チーズ対にするホエイもそう。 メインの生産物に対して、"副産物"という言い方をしますが、 どっちがどっちでもいいような… はたまたどちらもメインでもいいような… そんな世界観が好きです。 極端にいうと糞や尿、堆肥を作るために酪農してます。 そんな牧場があってもいいよねってこと笑 何か事業をおこすとき、 そのへんをフラット考えるとすごく面白いサービスになるし、持続可能的だなぁと。

          生産物と副産物、ごちゃまぜの世界

          これはもはやスペシャルティコーヒー

          ちょっとややこしいタイトルから始まりました。 僕ら、酪農とチーズ作りをしているNakashimaFarmですが、 そこが手掛けるカフェ、MILKBREW COFFEEで提供する搾りたてミルクを使った スチームミルクの秘密について話したいと思います。 NakashimaFarm https://www.nakashima-farm.com/ MILKBREW COFFEE https://www.milkbrew.co.jp/menu 看板商品のミルクブリューに隠れて

          これはもはやスペシャルティコーヒー

          BREWNCHEESE CAKE

          "ブラウンチーズケーキ" 今日は記念すべき販売スタートの日でした! ( @milkbrew_coffee でイートインのみです。併設のラボで作ってます。写真は水崎浩志さん) お客さまにホント美味しかったー! と言っていただきホッとしています。 (人生ナンバーワンといっていただいたかたまで!) チーズ製造時に出るホエイの活用の選択肢を作りたいという思いから、作りはじめたブラウンチーズ。 そしてこのBROWNCHEESE CAKEはホエイ活用の第2フェーズのスタートでも

          ブラウンチーズと乳糖不耐症について

          けっこーアカデミックな話です。 先に結論ををいうとブラウンチーズは乳糖不耐症の方でも問題なくたべれますっていう話です。 さてさて、 ノルウェーの国民食であり、国内ではナカシマファームが初めて商品化したブラウンチーズ。 このチーズはチーズの製造時に出るホエイを煮詰めて作ります。 ホエイには乳糖が含まれており、それを凝縮しますから乳糖不耐症(牛乳飲むとお腹がゴロゴロするアレです。詳しくは後述します)の方にとってはどうなんだろう?おすすめしていいものかという疑問がありました。

          ブラウンチーズと乳糖不耐症について

          いつも通り

          今回の大雨、 ひとまずナカシマファームは、牧場でのトラブルはありましたが、チーズ工房、MILKBREW COFFEE、そしてスタッフみんな大きな被害はありませんでした。 ご心配していただいたみなさまありがとうございます! (まだ雨が降るそうなので油断はできませんが) ただ被災されたかた仲間もいるのでので心配です。引き続きできることをやっていきます。 今後もなにかありました時はみなさまお力をかしていただけたら嬉しいです! 酪農家、生き物を飼うというのはどんなときもお世話

          惑星探査機

          じゃなくて、 建築現場なんかで使われるレーザー墨出し器です。 現在進めているMILKBREW COFFEEの 工事で使われていたところをパシャリ。 空間を作るとき、xyz軸それぞれの90度をとることができます。 ん?やっぱり惑星探査機じゃないか。 ここで気づきが。 これってテラフォーミングってこと?? ..この物件は築140年にもなる蔵で、それを改修しています。 以前、この蔵のことを知人に話していたら、それってリノベーションってことだよね。 と言われました。 そ

          ナカシマファームはチーズを二度作る

          大麦WCSの刈り取りが終わりました(奥にある白いロールです) WCSとはホールクロップサイレージの略で発酵性飼料のことです。発酵によって栄養価と保存性が増します。 (チーズみたいな発酵食品だと思ってもらえれば!カタチも円柱で似てる) 佐賀はニ毛作ができ、秋には稲を、春には大麦を収穫できます。 ナカシマファームではそれらをうしちゃんたち用に作っているわけです。 どちらも実がなる前、茎や葉に栄養がある、青い状態で刈り取ります。(茎をかじりましたがめっちゃ甘い!) 稲のとき

          ナカシマファームはチーズを二度作る

          チーズメイカーが考える"モノサシ"

          新しい道具にし、製造工程を大きく変えている白カビチーズ。 今日は3回目のトライでした。 3度目の正直。 なんていいますが、 新しい試作なんかをするとき、だいたい3回目で方向性は定まります。 1回目と2回目の試作で A地点とB地点の"モノサシ"ができ、 3回目は間を狙うか、外を狙うかがわかってきます。 4回目以降は再現性を高め、ブラッシュアップ。 踊り場と階段的に品質を上げていきます。 っとまぁ、 踊り場ですめばいいですが、 季節ごとに再現性高めていくのはなかなか大

          チーズメイカーが考える"モノサシ"

          築地の女

          一緒にナカシマファームを盛り上げてくれる妹の話です。 あんまり妹の事はこういった場所では話しませんが、今回、九州酪農青年女性会議の発表大会にて優勝させていただいたこともあり(7月には全国大会があります) ちょっと人となりを勝手に語ってみようと思います。(怒られそう笑) 今大会の発表ではSNSの活用による生産者の取り組み発信、5名の女性が酪農に従事するまで。といった内容です。 SNSの活用というとスマートな印象うけますが、 妹は酪農、チーズ作り、そして販売と現場で手と足を