少し前から父の病気が悪化し
入院生活が始まった。

元々、入退院を繰り返してはいたが
治療のための１週間程の入院で
毎回退院日が決まっていた。

一度悪化した後、治療を一段階変え
退院という目安がなくなった。
もちろん、そこを目指して治療を
してはいるが
しっかりしたゴールがぼやけた状態だ。

私には歳の離れた姉と兄がいる。
兄妹それぞれ性格が違えば
父に対する考え方も全く違う。

この血液疾患専門の病院を
探して、セミナーにも参加して
直接医師と話をしてきたのは
姉と兄だ。
父の体調を数値で理解し
記憶している。
薬が変われば名前を把握し
内容も正確に把握する。

自分はと言えば
そういった細かい所は知らないし
知ろうとしても頭に入らない。
脳の構造が違うんだと思っている。

私と父は、よく似ている。
父はそんな、自身の病気の全てを
把握している子ども2人と妻を
関心の様な驚きの様な視点で見ている。

私はといえば
感謝の気持ちでいる。
自分には出来ない事を
他の兄妹がしてくれるのは
ありがたい事。

今思えば昔から自分だけが
毛色の違うアヒルの様な気持ちが
何処かであった。

でも今、そんな斜めからの視点ではなく
素直にありがたいと思えるのは
自分の強みを知ったからだ。

病気の進行や詳細を把握できないけど
ほぼ毎日テレビ電話で顔を見ながら
話す事が出来る。
性格の近い自分だからこそ
父の気持ちが良く分かり
肩の力を抜く事が出来る。
病室からの電話でも
笑わせる事ができる。　
そして、何よりの得意分野である
お菓子作りを通して
喜ばせる事ができる。

先日送った
父の好物のメロンパン。
食欲落ちてきた時期には
少し大きかったかなと心配したけど
２つとも美味しく食べてもらえた。

自分に無い物にフォーカスすると
しんどくなる。　
出来る事を知ると自信になる。　　

父の元気なうちは
私に出来ることで
私にしか出来ないことで
父の今の日常に笑顔を作っていきたい。