こんにちは。つくばに住む研究者です。

以前、つくば市の女性について産業別の就業者割合について調べ、学術研究分野での就業者割合が全国で最も高いことがわかりました。今回は女性の就業者の雇用形態について、男性の雇用形態や全国平均と比較してみようと思います。

以前と同様に国勢調査データを使います。茨城県内のすべての自治体を利用すると図が大きくなりすぎるため、茨城県内の人口が上位の10市だけを図示します。

df_iba = df[(df['2020年_都道府県']=='08_茨城県')|(df['2020年_都道府県']=='00_全国')]
df_iba = df_iba[~df_iba['地域名'].str.contains('.*旧：*')]

cities = ['0001_全国', '0730_茨城県', '0731_水戸市', '0734_日立市', '0737_土浦市',
       '0740_古河市', '0766_取手市', '0769_牛久市', '0770_つくば市', '0773_ひたちなか市', '0789_筑西市','0809_神栖市']

atr=['0_総数', '1_雇用者','11_（雇用者）正規の職員・従業員', '12_（雇用者）労働者派遣事業所の派遣社員', '13_（雇用者）パート・アルバイト・その他',
       '2_役員', '3_雇人のある業主', '4_雇人のない業主', '5_家族従業者', '6_家庭内職者', '7_従業上の地位「不詳」','R1_（再掲）雇用者（役員を含む）']

df_iba = df_iba[df_iba['地域名'].isin(cities)]
df_iba = df_iba[df_iba['産業']=='0_総数']
df_iba = df_iba.set_index('地域名')
df_iba = df_iba.replace('-', 0)

さて、県内の10市および県、全国平均について、女性就業者の従業上の地位を割合として図示します。

df_iba_f = df_iba[df_iba['男女']=='2_女']
df_iba_f = df_iba_f[atr]
df_iba_f[atr[1:]] = df_iba_f[atr[1:]].divide(df_iba_f.max(axis=1),axis=0)

df_iba_f[atr[2:-1]].plot.barh(figsize=(6, 10),position=1,grid=1)
plt.legend(loc='center left', bbox_to_anchor=(1.0, 0.5))
plt.title('女性就業者の従業上の地位')

女性の就業者については、各自治体について全国と比べて大きな違いは無いように見えます。全国的に40%強が「正規職員・従業員」または「パート・アルバイト」として働いていることがわかります。

同じ市町村について、男性にもついて見てみます。

男性就業者については、正規職員・従業員の割合がどの市町村で見ても60%を超えています。パート・アルバイトの割合は10%の前後であり、女性就業者の状況とは大きく異なることがわかります。

男女についての差をもう少し見てみます。1つ目のグラフから、2つ目のグラフを引いたグラフを作ります。

df_d = pd.DataFrame(index=cities ,columns=atr)
df_d = df_iba_f - df_iba_m

df_d[atr[2:-1]].plot.barh(figsize=(6, 10),position=1,grid=1)
plt.legend(loc='center left', bbox_to_anchor=(1.0, 0.5))
plt.title('従業上の地位の男女差の全国との比較')

前の2つのグラフを単純に引き算するとこのようになりました。全体的に、女性就業者はパート・アルバイト、または家族従業者や派遣社員が多く、男性就業者は正規職員・従業員、役員が多いようです。全国との差分を見てみます。

df_d = df_iba_f - df_iba_f.iloc[0]

df_d[atr[2:-1]].plot.barh(figsize=(6, 10),position=1,grid=1)
plt.legend(loc='center left', bbox_to_anchor=(1.0, 0.5))
plt.title('女性の従業地位の全国との比較')

「従業上地位の割合」の男女差をとったものについて、さらに全国平均を引きました。この図で左側に棒が出ていれば、「全国平均と比べて男性の割合が高い」ということになります。下から2つ目の「0730_茨城県」を見ると、茨城県全体では全国平均にくらべ、女性の正規職員の割合は低い傾向にありますが、つくば市は女性の正規職員、従業員の割合が全国と比べても高い数字であるようです。

このグラフでは元々の割合が少ない地位についての差がわかりにくいため、相対誤差などを計算して見ても気づきがあるかもしれません。

それでは。