見出し画像

つくば市の高齢化状況について[1]

こんにちは。つくばに住む研究者です。

今回はつくば市の年齢別の人口構成についてみていきます。分析を通して、将来のつくば市の年齢構造や高齢化の問題について考えていきます。

今回は総務省の取りまとめる住民基本台帳のデータを使い、過去10年間での年齢別人口がどのように変わったのか見ていきましょう。次回以降ではCohort分析など、もう少し詳細な分析も行ってみたいと思います。

これまで見てきたように、つくば市は全国的に見ても平均年齢が低く、人口増加も最も著しい街の一つです。しかしながら、当然ではありますが一時期に流入した子供や子育て世代もいずれ年をとり、街は徐々に高齢化に向かっていきます。子供が多い期間において、自治体の課題は保育所や小学校などの整備が中心になりますが、同時に来るべき高齢化に備えなければなりません。年齢コホート分析等により年齢別人口の変化を分析することで、人口構造の変化や高齢化のタイミングなどについて知ることができます。

今回は住民基本台帳のデータを使い、5歳階級の人口の変化を分析します。eStatでデータ取得が可能な、2023年〜2013年の合計10年分の変化を見ることにします。40年分くらいを分析したかったのですが、残念ながらeStatには2011年以降のデータしか掲載されていないようでした。

まずは全国、茨城県、つくば市の3つの自治体単位で総人口がどのように変化していったのかを確認します。(尚、今回はコードが長くなりすぎたために割愛しますが、大部分はこれまでに使ったコードと同様です)

人口総数の変化(全国、茨城、つくば)

全国、茨城では人口は10年にかけて減少しており、2013年基準では全国では2.3%、茨城では3.9%も減少しています。一方、つくばでは1.7%の増加です。流入人口による増加や出生等による自然増の程度についてはまた後日の記事で分析します。

年齢別の人口がどのように変化したのかみてみます。
まずは全国についてです。

恐らく読者の方もご存知の通り、日本全国で見た時の人口ピラミッドは徐々に先細っています。女性については特に80歳以上の人口増加が顕著です。1980年から1994年の第二次ベビーブームのために、2023年の時点で45歳〜54歳の人口が多くなっています。茨城についてもほぼ同様の傾向が見られます。

変化について直感的に分かりやすくするために、後ほど1枚の動画(GIF)にまとめます。つくばについても見てみましょう。

全国や茨城では2023年時点で45歳以下の人口については単調減少でしたたが、つくばでは14歳以下の人口が15~19歳の人口よりも多くなっており、その増加幅は2013年のそれよりも多いようです。

2013年から2023年の間での人口ピラミッドの変化を動画にするとこんな感じです。

最後に、年代ごとの人口の推移についてもみてみます。

全国、茨城については80歳以上の人口が単調増加しており、かつグラフ内での最大値をとっていますが、若年層については人口が減っています。減少幅は年齢が若くなるにつれて大きくなっており、0-4歳の人口は特に急速に減少しており、グラフ内での最小値です。つくば市では大きく異なり、多くの世代で人口が増加していることがわかります。

次回はCohort分析を行い、流入や出生の状況についてみていきます。
それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?